ハロー効果 No.108

「ハロー効果」とは、ある対象を評価するときに何か一つの顕著な特徴によって、他の特徴を無視して全体を評価してしまう事。普通は、字がきれいな人は頭も聡明で礼儀正しい人は真面目で信頼できる人である。などと一つの良い特徴だけで全部が良いと判断してしまうような良い特徴の時に使われますが、逆もあって、一つの過ちでその人全部がダメかのように評価してしまう場合も多々あります。今まさに写真の森元首相がそんな感じで全否定されていますね。確かに先回のブログで私も気合が入っていないと言いましたが、その後のマスコミの扱い方は、森さんが女性蔑視発言をしただけでなく、諸悪の根源かのような言い回しになってきて、誰が次の会長になるにしても森さんの影響を排除しなくては、とか決め方が密室だとか、川渕さんは森さんの盟友で年が近くてダメだ。などと森さんと何か関係があればダメ、ダメを連発。散々こき下ろしています。オリンピックの精神である平等と言う観念から見て不適切ではありましたが、オリンピック開催に至る流れを作った功労者でもあるので、逆に今までの功績を活かさないと日本の国の無駄になります。てんやわんやの末、結局、橋本聖子さんが次の会長になりましたが、今度は決め方が出来レースで透明性がないなどと言い出しました。大体、大きな人事を決めるのに「今決まりました。」「はい、そうですか。わかりました。」などと言う決まり方はありません。会社の人事でもそうですが、根回しは必要ですし、その影響等を充分に考慮する時間も必要です。何か、森さん=全て悪い、みたいな論調になるのがどうかと思います。最近は特にその傾向が強いように感じます。何か失言があれば全否定、失敗しても全否定、浮気したら全否定、うかつにものも言えないと思っているトップも多いかと思います。確かに失言は良くないし、失敗やその他問題のあることを奨励するつもりはありませんが、是々非々で良いことは誰がやっても良い、悪いことは誰がやっても悪い、ただ良し悪しはその事実だけの良し悪しであって、「ハロー効果」のように一つのことが全てかのように間違って判断してはいけません。ちなみに組織委員会以外のことですが、森さんは昨年日本にとって非常に大きな影響のあった元台湾総統の李登輝さんが亡くなったとき、中国に遠慮して総理大臣はじめ誰も葬儀に行かなかった中で、超党派議員を集めて日本の代表としていち早く台湾に駆け付けたことなど、立派な行いだと思っています。また、森さんと一緒に写真に載っている”疑惑のデパート”鈴木宗男氏ですが、ムネオハウス建築の疑惑やらあっせん収賄などで起訴され、結果的に有罪判決を言い渡されて実刑を食らっている国会議員ですが、確かにそのことは問題です。しかし、日本のシンドラーと言われた「杉浦千畝」(すぎうらちうね)を外務省の黙殺から表に出して、名誉回復をさせたのは、この鈴木宗男氏です。1940年、リトアニアの外務官だった杉浦千畝はナチスドイツの迫害から逃れようとリトアニアの日本大使館に押し寄せたユダヤ人に対し、本国からは当時の日独伊三国同盟に遠慮して、「ビザの発給はしてはならぬ。」と通達があったにもかかわらず、何度も外務省と交渉をし結果的に本国の同意がないまま、6000人ものユダヤの人たちにビザを発給しました。そして、そのほとんどがシベリア鉄道などを使い、日本に上陸しアメリカなどへ逃れました。(有名なシンドラーが救ったのは1100人で、しかも自分のビジネスのために安い賃金のユダヤ人を使うと言う目的がありました。)それに比べ(決してシンドラーを否定しているわけではありませんが・・)「人としてやるべきことをしただけ。」と言う杉浦ですが、その代償は外務省を追い出され名前も残さないという仕打ちでした。結局、本人はそのまま名誉回復を見ることなく亡くなったのですが、杉浦の死後、鈴木宗男は、その偉業を眠らせまいと先頭に立って名誉回復を果たしました。もし、鈴木宗男がいなければ杉浦千畝のような立派な日本人がいたことを、我々はいまだに知らないでしょう。かと言って、鈴木宗男氏の数々の疑惑までも否定するつもりはないですが、本当に是々非々ですね。

さて、自分たちの周りに目を向けてみると、この「ハロー効果」は、結構ありそうですね。会社や友人関係でも何か一つの事象でその人のすべてを判断してしまう。そして、「あんな良い人がどうして。」と裏切られた気持ちになったり、せっかく良いことをしてもらっても、「いや、あの人は何か裏がある。」などと素直に喜べない。そうなると、「とかく世間は住みにくい。」となってしまいます。そうならないためには「そんなこともあるわい。」くらいに思って、いちいち気にしないことでしょうね。

 

では、次回は2月末日あたりで更新の予定です。

 

 

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