コロナの功罪 No.112

緊急事態宣言が明けて花見のシーズン、全国の観光地でも人出が増えて、さあコロナの第4波が来るぞ、と身構えている今日この頃ですが、最近の新聞で興味ある記事を目にしました。日本での年間死亡者の数は高齢化もあって長年前年を超過する結果でしたが、昨年11年ぶりに減少したそうです。前年に比べ9373人の減少、それまでは約2万人ずつ増えていたので、差し引き約3万人の減少です。他の国はどうでしょうか? アメリカは死亡者の数が前年より50万人超過、それはコロナの死亡者と同等数、ロシアは35万人の超過、それに比べて感染対策が徹底された台湾は、5600人減少と国により大きな差があるようです。日本で最も減少したのは、手洗いやうがい等の励行で肺炎やインフルエンザなどの感染症による死亡者が、それぞれ14000人と2200人の減少、また、自粛でお酒の量も減ったせいか、脳卒中も3200人、心筋梗塞も1200人減少に転じたそうです。日本においては、死亡数という一側面から見ると、皮肉なものでコロナで亡くなった1673人に比べて、この環境のおかげで20倍近い人が助かったという結果になります。だからと言って、コロナが良かったとは言いませんが、コロナという強烈なメッセージにより、人類に病気に対する自己防衛の意識を植え付けてくれたことは、忘れてはいけません。災害でもそうですが、起こったときは悲しみや怒りが充満して、災害などに”功”なんかあるはずがない、と考えがちです。しかし、その反省により次の災害被害が減らせたら、大きな”功”をもたらしたと言えます。物事には何でも表裏、功と罪があります。罪を批判するだけで、隠れた功(反省事項)を忘れてしまっては、犠牲になった人も浮かばれません。竹はまっすぐに伸びて行きますが、ところどころゴツゴツした節があり、その節がないと大きく伸びることはできません。同じように人間も苦しいことや辛いことを経験しますが、その経験を通して優しく強く成長していきます。国家も、さらに人類すべてにおいても同様に様々な危機に遭遇するが、それを反省し自分の力にしないと本当の成長は、できないのではないでしょうか。したがって、まずコロナでは多くの人が犠牲になりましたが、自己防衛の習慣化などは、これからも未来に引き継がなくてはなりません。衛生的な先進国家の最たる国、その日本でも”うがい”や”手洗い”で16000人(肺炎とインフル)もの人が死なずに済むわけで、その事実を明確にコロナが示してくれました。日本でもそうですから、アフリカの難民や世界の水事情が悪い地域での手洗いやうがいの励行、そのためのインフラは最優先の支援ではないでしょうか?「一日に何十円かで栄養食が買えると。」か、「数円でビタミン剤が買える。」と言った支援ももちろん大事でしょうが、感染症にならないための手洗いやうがいのインフラを作ることの方が、後々大きな成果になるようにも思います。一昨年、アフガンで凶弾に倒れた中村哲さんも医師としての限界を感じ、病気を治すより、乾いた大地に水を引き、そのふんだんに使えるきれいな水を飲み、体を洗って、植物を育て、職を得る、それが病気を治す根本だと考えて運河を建設しましたが、同じようなことだと思います。先ほども言いましたが、今コロナから学ぶことの一つは、世界でできるだけ多くの人たちが、うがい手洗いを励行する、またその他の感染症や病気に対する自己防衛をコロナ終息後もできるだけ長く継続する。そうすれば、コロナで亡くなった1600人の数は大幅に減って、死亡者3万人の減少だけが継続されるのですから、大変良いことです。もし、コロナ終息後に元のような生活に戻ってしまったら、1600人の犠牲者は減りますが、3万人の死亡者がまた増えることになります。そうなったら、本当にどっちの方が良かったのか、わかりません。コロナという危機、その功罪を今後に活かすかどうかは、私たちすべての人にかかっているという事でしょうね。

 

さて、周りを見ると、桜が満開です。あと何回見ることができるだろう、20回は無理かな、などと考えていると、咲くのは美しいのですが、散るのを見るのが寂しいですね。では、次回は4月10日に更新予定です。

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