死の商人ノーベル No.129

毎年、この季節になると「今年のノーベル賞は誰?そろそろ村上春樹は?」などとマスコミが話題にし、日本人が取ったら大騒ぎ、世界的な権威を授かったと恭しく(うやうやしく)崇め(あがめ)奉り(たてまつり)、12月10日の授賞式まで何かと世間をにぎわすことになります。しかし、ノーベルって何者?と考えると、ノーベル=ダイナマイトの発明者、ダイナマイト≒強力な武器、武器の強大化⇒戦争被害拡大、結果的に大量な戦死者を作り出した”死の発明家”、それを世界中に売り歩いた”死の商人”、そんな悪魔みたいな奴が亡くなる前に自分の罪滅ぼしのために財産を寄付して創設したのがノーベル賞ですから、手放しで喜ぶのは、何か微妙なな感じもします。そもそも「ダイナマイトの発明」と聞くとすごいなあと、ついつい思ってしまいますが、ダイナマイトとは、ニトログリセリンを珪藻土(日本の壁土や七輪の材料、最近では風呂マットの代わりに使っている。)と言う藻の化石からなる土に混ぜて安定させたものです。つまり、それまでニトログリセリンと言う爆発力の強い液体はすでに発明されていましたが、ショックを与えるとすぐ爆発し、液体なので持ち運びも困難で(ニトログリセリンを車で運ぶ映画「恐怖の報酬」で、その困難さが良く表れていました。)好きな時に好きな場所で爆発させることができないという欠点がありました。それを珪藻土に混ぜたのがノーベルです。そう考えるとニトログリセリンを発明した人の方がノーベルよりも偉いように思いますが、ニトロの発明者アスカニオ・ソブレロと言うイタリア人化学者のことは、ほとんどの人が知りません。何か釈然としませんね。それから、写真のアルフレッド・ノーベルのことを「死の商人」と言ったのは、ノーベルが死んだと言う誤報を信じたフランス紙が「死の商人死す。」と見出しに書いたことから、世界中でそのように言う人が増えたそうです。まあ、いろいろ言ってますが、何はともあれノーベル賞は今や世界的な賞ですし、受賞することの意味は単にその個人に対しての評価だけでなく国としての評価にもつながるものなので日本人が受賞したら単純にうれしい事ではあります。(今までの受賞者、日本は世界で第7位28人、中国8人、韓国1人・・・)また、死の商人と言われたノーベルですが、結局武器を発明した人が悪いのではなく、それをどう使うかが大事で、使う人(時の為政者)がしっかりしていたら悲劇は減らせたはずです。包丁で殺人があったら包丁を作った人、売った人が悪いのか、と言うのと同じになります。ノーベルは、ダイナマイトや無煙火薬を発明して各国に積極的に売りはしたが、それは武器を持つことで、国同士の戦争の抑止力になるはずだと信じていたようです。また武器としてのダイナマイトを考える前に、ダイナマイトの発明は産業の発展に大きく寄与している訳ですから、まあ、私も四の五の言わずに今年も10月4日から始まるノーベル賞の発表を楽しみに待つことにします。

 

今回はノーベル賞について書きましたが、その中でノーベル平和賞については毎回異論も出るようです。私も過去のノーベル賞受賞者を見ていて、何人かは?と感じる人もいます。その最たるものは、1973年に受賞したアメリカのキッシンジャー元国務長官ではないでしょうか?授賞理由はベトナム戦争をパリ協定により終結させたことですが、自分たちが始めて自分たちが続けられずに終わらせただけ、なのに何でや! 受賞を決めた責任者出てこい! と言いたくもなりますね。じゃあ、相手のベトナム側は、と言うとレ・ドゥク・トと言う人が交渉の相手だったので、キッシンジャーと同時に平和賞に決まりました。しかしながら、この人は「まだベトナムに平和は来ていない。」と言って、ノーベル平和賞を拒否しました。(過去にノーベル賞を拒否したのは、哲学者サルトルなど含め3人だけ)ノーベル賞を受けた人以上に素晴らしい態度のように思います。今なら「いいね!」が世界中から山ほど届いていることでしょう。

さて、次回は9月30日ころに更新します。コロナコロナと言ってる間に、もう秋が目の前です。そろそろ何とかしてほしいですね。

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