指針を示せ!No.130

もう37年前になるでしょうか、29歳でニッセンの取締役本部長になった時、一番悩んだのが、「部門長として何をすべきか?」(リーダーとして部門をどのように運営したらよいのか、部下をどう扱えばよいのか?)という事でした。功成り名を遂げた人たちの本を何冊か読みましたが、はっきり言ってどれもピンと来ず、悶々としていた時に出会ったのが「3Mにおけるリーダーの条件」という6か条の指標でした。それはアメリカの3M社が自社のリーダーに対して、こうあるべきと言うことをわかりやすくまとめたものでした。その最初に出てくるのが、「指針を示せ!(Chart the course)」です。つまり、リーダーとして最初にやるべきは、部門を一つの方向に向かせ、ベクトルを一致させることが重要である。みんながバラバラに好き勝手なことをやっていれば、非効率な仕事や足を引っ張りあうような事態にもなり、力を結集することができません。また、将来のビジョンがないと自分たちはどうなるのだろうと不安が先行し、何か辛いことがあれば、我慢できないものですが、ワクワクするような将来ビジョンが示せていれば、現状の不遇も何としてでも我慢ができます。さて、日本の新しいリーダーが決まりました。(正式には自民党のトップが決まっただけですが、総理大臣は特別なことが無い限り決定です。)総裁候補の4人が政策論争をしていましたが、もちろん身近なコロナ対策等も大事ではあります。しかしながら、リーダーに決まったからには、国民がワクワクするような未来を示してほしいものです。世界の中で尊敬される日本とは?日本人の幸せ実現とは?そのために、これとこれをいつまでにする。仮にそのことが一時的に国民に負担を強いる事であっても希望ある未来のためであれば、堂々と示してもらいたい。絶対に選挙のために短絡なポピュリズム(大衆迎合主義)に傾かないようにしてもらいたい。その典型は、立憲民主党の枝野代表が「消費税を5%に、また年収1000万以下の人の所得税を免除、その財源は法人税を上げ、富裕層から徴収」などと言ってることです。富裕層からの徴収は一時的ならよいでしょう。しかし、消費税分だけでも10%を5%にすれば、10兆円必要です。法人税が11兆円ですから倍くらいにしないと合いません。さらに所得税分をとなると、一体法人税を何倍にするつもりでしょうか? ただでさえ、日本企業の凋落はひどいもので、もっと投資をして活力を取り戻さねばならない時期なのに法人税にとられてしまうと一挙に日本企業の競争力を弱め、終いには良い企業は海外に避難、活力を無くした企業は縮小や倒産、そうなれば国民生活はどん底です。今、南米のペルーやブラジルなどで起こっていることは、政治家が選挙で勝つために現金をばらまき、その分を企業から取るという枝野氏の策と同じことをやった結果どうなっているかと言うと、企業の力が弱り経済が低迷し、結果的に国民生活はさらに悪化するという悪循環に陥っているそうです。そんなポピュリズムに対し、1961年にアメリカでJFケネディが大統領になった時に行った有名な演説では、「世界に自由をもたらすためには、どんな犠牲も払う覚悟である。しかし、その解決手段はソ連などとの戦争のみではなく、逆にソ連などの東側諸国と連携して、今世界で人類が苦しんでいる共通の敵、すなわち圧政、貧困、疾病、戦争等と闘う。」ことを呼びかけ、さらにここからが有名ですが、米国民に「あなたの国があなたのために何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるかを問うてほしい。」と述べています。我々日本国民も今自分だけが良ければいい、と言う発想ではいつまで経っても良い国はできません。新しいリーダーの新しいビジョンの元、私たち国民も一緒になって苦労し(例えば、本当に良い国を作るためなら消費税をさらに上げることも必要でしょう。)みんなでワクワクするような未来の日本を作っていく、岸田新総理誕生は、ぜひそんな第一歩にしてほしいものですね。

 

(あとがき)

岸田さんの年齢は64歳、私より2歳年下です。これから先の首相は、ほとんどが私より年下になることでしょう。普段は感じませんが、そんなことで何か自分が年取ったと感じてしまうのは、私だけでしょうか?

明日から10月、緊急事態宣言も解除され久しぶりにパーっと行けそうでワクワクしています。(まあ、そんなことを考えているうちは、年取らないようにも思いますね。)

サイトメニュー

・ホーム

・ 事業内容

・ 代表者略歴

・お問い合わせ

・ブログ(勝手に一言)

・リーダーの皆さんへ

・若い人たちへ

株式会社SSプランニング

メール:samura@ss3648plan.com

2023年9月現在の関係先企業

・株式会社ファーマフーズ

(東証プライム)取締役

・株式会社アクトプロ 顧問

・株式会社光陽社

(東証スタンダード) 顧問 

・株式会社官民連携事業研究所 顧問

・薫風舎 顧問