色褪せぬゲージツ No.161

今から3年後の2025年に「大阪万博」が開催されます。その事をきっかけに52年前の大阪万博(EXPO70)についての話題を目にすることが増えてきました。その中で特に印象的なのが”岡本太郎”と太陽の塔についての回想番組でした。私も52年前の大阪万博にはちょうど中学校の修学旅行で行きましたので、多少の記憶はあります。一番の目玉は、アメリカ館の「月の石」でした。万博開催の前年1969年にアポロ11号で人類初の月面着陸に成功したことで何の変哲もない”石”に来場者は4時間も5時間も並んで見たものでした。(私は待つのが嫌いで行ってません。)他の外国館や日本の企業館には行ったのですが、正直全く覚えていません。ただ、岡本太郎制作の太陽の塔は「変な形と訳の分からない顔」が何かの生命体のようで強烈な印象とともに記憶に残っています。逆に言えば、太陽の塔しか覚えていない訳です。その作者が岡本太郎という事も当時知っていましたが、印象はと言うと、まだまだ子供ですから、目玉をカッと見開いて、よくわからない絵や彫刻の前で「ゲージツ(芸術)は爆発だ!」とか言ってる変な人、というものでした。ところが、時は流れ、自分も年を取って改めて岡本太郎の作品や生き様等を見てみると、わけわからないと思っていた絵や彫刻が、強烈なエネルギーを持って存在している、また岡本太郎の生き様や発言内容がこれまたすごいなあ、とただただ感激してしまい、全く色褪せておらず、それどころか1940年代の初期の作品からも今書いたかのような現代でも通用するメッセージが感じられます。特集番組を見てて、特に印象的だった言葉は、当時の万博のテーマである「人類の調和と進歩」の調和について、「調和なんてものは、みなが自分の言いたいことやしたいことを我慢して、それぞれが妥協した上に成り立つもんじゃない、それぞれが思いきっり主張してぶつかり合う、そんな中に本当の調和がある。」と言う意味のことを言ってましたが、人間社会での調和もその通りで、人と人が分かりあうためには遠慮し合っては、本当の和は得られず、いつかは破綻する仮そめの調和でしかないのではないでしょうか。また、もうひとつ素晴らしい言葉があったのでわかりやすくまとめます、「子供が絵を描き始めると、上手い下手と判断する、そうすると下手な者は描くのをやめるが、そうではない。上手いと言うのは一つの判断に過ぎず、下手は個性で、下手であればあるほど個性が強いだけなので、下手でも自分が思うようにもっともっと描けばいい!」すごいと思いませんか? これなんか教育の真髄ではないかとハッとさせられました。ちまちまと言いたいことも言わず、やりたいことも遠慮して、誰かが作った基準に合わせようとあくせくする、そんな現代に対して50年の月日を越えて大いなる”喝!”を食らわしているかのようです。確かに岡本太郎の残したものを見聞きしていると腹の底が熱くなるものを感じます。これがまさに「ゲージツは爆発だ!」と言う意味なのでしょう。何年経ってもいいものはいい!ということですね。

 

(あとがき)

この年になって、今までわからなかったものが少し理解できたり、新たな見方が加わると言うのは、うれしいものですね。人間はいくつになっても成長する、という事だと思います。頑張りましょう!

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