意外な数値 No.187

昔子供の時に、友達が持っているおもちゃなどがあると自分も欲しくなり、親にねだったりしましたが、大体言う事は決まっており、「みんな持ってるから、買って!」「じゃあ、持ってる子を言ってごらん。」と言われると、「〇〇ちゃん、△△ちゃん、それから、え~と□□ちゃん。」と、まあ3人くらいしか出てこないことが多く、親から「みんなじゃないよね。」と諭されたことがありました。本人としては、2~3人であっても”みんな”に感じるのは事実で、このように感覚と実際の数値は乖離していることが多いことは社会に出ても多々あります。ビジネス上でもついつい自分が感じる感覚や目の前で見えることが全てのように思い、大きな間違いをすることもあります。したがって、何かを判断するときには、冷静に数値で補完することが必要になります。今回紹介する”意外な数値”は、犯罪に関してです。最近のニュースを見ていると凶悪で組織的な犯罪が多く、日本はいつの間に、こんな危険な国になったんだろうか、と危惧していました。ところが、何かの時に「日本の犯罪は減っている。」と言う言葉が耳に残っており、法務省が毎年出している「犯罪白書」で調べたところ、殺人などの凶悪犯罪について、終戦後の昭和20年代は別にして近年では平成15年あたりをピークに令和3年ではピーク時から半減しています。窃盗等の軽犯罪についても年々減少しており、感覚では「日本もだんだん危なくなった。」と思っていましたが、数値で見る限り「ますます安全な国になっている。」ことが見て取れます。世界と比べるとさらに分かるのですが、国連のUNODCと言う機関が出している統計数値で、10万人当たり殺人発生率ランキングと言うのがあって、それを見ていると1位はWBCでも活躍しているベネズエラで約50人(2000人に1人)日本はデータのある148ヵ国のうち下から5番目の144位で0.25人(40万人に1人)でした。一年間で2000人に1人殺されるという事は、20年では100人に1人、40年で50人に1人と言う計算になるので、一生の内には幸い自分はそんな目に遭わなくても、知っている人の何人かは、殺されるという事になります。そう思うと、ベネズエラの人は陽気に野球の応援してましたが、「太鼓たたいて応援しとる場合か!」と思います。まあ、他の国は置いといて、このようにデータによれば、日本は良い数値ばかりで問題ないように思いますが、確率が40万分の1であろうが、被害に遭った当事者にとっては、100%でしかないと言うことです。つまり、被害に遭った人にとって確立や数値が良くなったなんて、よその話で、自分にとっては全く関係ない事なのです。企業でもよくあることですが、「クレームの発生が100人に1人から200人に1人に減った」と言っても売り上げが3倍になっていれば、クレームの絶対件数は、150%に増えます。仮に件数が半減したとしても、クレームを言うような被害を被った当事者にとっては、確率なんか関係なく自分にとっては100%の被害でしかありません。クレームも犯罪も基本は0にするのが目標です。確率だけで論じてはいけない数値です。被害を0にするためには、警察等の機関も、また、国民一人一人みんなも「さらに安心安全な国、日本」を作るよう努力しないといけません。「悪いことをしたやつは警察がしっかり捕まえたらいい。」だけではなく、「悪いことをする人間を自分の身近から出さない。」と言う覚悟をすることが犯罪の少ない安心安全な国つくりの第一歩のように思います。奇しくも28年前の今日3月20日は地下鉄サリン事件で14名もの尊い命が亡くなりました。遠い過去の記憶になってしまいましたが、これから先も年々犯罪が減少し、それが”意外な数値”ではなく、納得できる”当然の数値”だと感じられるようになればいいですね。

 

(あとがき)

WBCの日本以外の上位国の10万人当たり殺人発生率は、ベネズエラを筆頭にメキシコ28.4人、コロンビア22.6人、プエルトリコ18.5人、アメリカ6.5人、キューバ5人、と結構な発生率ですね。それを見て、一つアイデアがあります。ブラジルやジャマイカなども高い発生率なので、野球やサッカーなどスポーツが大好きな国民性を利用して、スポーツの世界大会では、殺人の発生率によりハンデを決める。例えば野球なら、発生率が10人を超える国なら、毎試合無条件で相手に2点のハンデを出さないといけない。5人以上なら1点。サッカーでも同様に5人を超えたら1点、10人以上の国は国際試合に1年間出場停止。そうしたら、ブラジルなんかも22人を超える危ない国ですが、サッカーの国際試合に自国が出れないとなったら、国を挙げて犯罪防止に取り組むのではないでしょうか?(・・・・・そうは簡単には行かないかな。)まあ、世界の犯罪が激減することを祈りながら、明日と明後日の侍JAPANを応援しましょう。次回の更新は3月末です。

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