最強最弱紙一重 No.190

母親が亡くなって、早や一年が経ちました。4月14日が命日でしたが、そんなことを考えながら、たまたまパソコンを見ていると、武田信玄の命日が4月12日とありました。私は歴史が大好きで、特に戦国時代の人間模様や各武将の運不運など、また読み物として魅力のある人物も多く、何冊も本を読みましたが、未だ飽きることはありません。しかし、学生時代の日本史は専攻しよう思わない全く興味のない教科でした。理由は、その当時の日本史の授業は、人名や出来事及び年号などの記憶が主で、その前後の流れや人間関係などにはあまり触れることもなく、「全然面白くない。」授業だったからです。そんな面白い歴史の本を読めば読むほど強く感じるのが、一個人の力がなぜそこまで大きいのか、たった一人の考えや動向そして生死が、あっという間に国を変えてしまうのは何故だろうと考えてしまいます。特に戦国時代の諸将の中でも最強と評された武田信玄については、信玄の生死が甲斐一国をあっという間に滅ぼしてしまうことになる訳で、信玄がいる武田といない武田では全く違う国になっています。信玄は晩年、織田徳川連合軍との合戦を制し京へ上るべく1572年に挙兵します。天才的な軍事才能と武田二十四神将(武田家の強力な武将24人)や騎馬軍団を擁した武田軍の強さはすさまじく、あっという間に徳川軍を撃退します。(三方ヶ原の戦い)その当時、四方に敵を抱えていた織田信長にとっては、人生最大の危機です。さあ、これから織田信長の領土である岐阜を攻めて京に上がろうとする寸前、1573年の4月12日に信玄が亡くなります。指揮官がいなくなった武田軍は、甲斐に帰ってしまうのですが、それだけでなく、それまで信長に敵対していた他の軍勢も武田軍が侵攻をやめた、そして信玄が亡くなったらしい、という事を知ると勢いが一挙に失せてしまいます。すごい影響力ですね。それに対して、信長や家康は、恐れていた信玄がいない、と知るや、俄然、力を出してきます。それから先は、四方にいた敵をことごとく打ち破り、2年後には有名な長篠の戦で武田軍は織田徳川軍に敗れます。その後は最強とうたわれた武田軍も防戦一方で、次から次へと領土を奪われ、1582年に武田家は滅亡となります。信玄一人が死んでも有能な武将はまだまだたくさんいたし、数万の武田軍は無傷のままでしたから、頑張れば、武田も日本の頂点を目指せる力はあったと思います。なぜ、そうならなかったか、と言うと、戦国最強の武将、武田信玄には大きな弱点がありました。自分がいる間は二十四神将たちも従うが、それは武田家に従うのではなく、信玄個人に従う関係を築いていたからでした。信玄がいなくなれば、それぞれの武将(豪族)たちは、自分たちの領土(甲斐の中の一地域)が優先で、国(甲斐)のためなどとは思わず、バラバラに動く可能性があったのです。言うならば、信玄がいる間は最強だが、いなくなった途端に最弱になってしまう組織を信玄が作っていたという事になります。最強と最弱はまさに紙一重、実際に、部下たちも最初は跡取りの勝頼に従っていましたが、その後は寝返りが続き、勝頼の最後も部下のところに身を隠そうと家族など少人数で逃げている時に、その部下が裏切って最期を遂げるというものでした。そう考えると、たった一人の人間が与える影響が大きければ大きいほど、どのような組織を作るかは大事ですね。単に強くなるよりも、いかに継続できるか、の方がより重要な事のようです。歴史を学ぶことは単に面白いだけでなく、人生の道しるべになったり、生きる勇気をもらったり、大いにためになるのですが、それを全然面白くない教科にしてる日本の教育界は、大きな罪ですね。みなさん、たまには現実から離れて歴史の世界に浸るのもいいかもしれませんね。

 

(あとがき)

現在の企業や政権においても同様のことが言えます。トップがいなくなると勢いを失う、例えば、そのトップのためなら自分の力を最大限発揮できるが、トップが変わると影が薄くなる人、そして指示される間は良かったが自分で考えるのが苦手な人などが出てくると、企業にとっても政権にとっても良い事ではありません。トップがいなくても変わらない、トップは、いつ変わったの?と思われるくらいに影が薄い方が激変を避けられて、安定した政権運営ができるのかも知れません。そう考えると、今の岸田さんは良いトップみたいですね。(?)

次回は4月末更新します。 

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