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みなさん、ジョルダーノ(GIORDANO)というブランド知ってますか? 私が香港に行き始めたのが1980年代後半ですが、そのころ香港に行くと必ず行ってたのが、このGIORDANOと言う店舗です。ポロシャツやTシャツ、その他カジュアルアパレルが、婦人服だけでなくメンズもチャイルドも豊富に多色展開されていて、今までにない雰囲気の店舗でした。行くと毎回のように自分のものだけでなく家族の物も買っていた記憶があります。日本のユニクロも、創業者の柳井さんが、このGIORDANOの店舗を見て感激し、参考にしたと言われているブランドです。
このGIORDANOの創業者は、黎智英(れい、ちえい)英名は、ジミー・ライ氏です。ジミー・ライと聞いて、どこかで聞いたことがあると思われた方もいるかと思います。香港の反中国活動の中心人物で、2014年の香港民主化運動(雨傘運動)などを支援し、最後まで日刊紙「リンゴ日報」などを発行して中国の専制体制に反対をしてきました。
そのジミー・ライ氏が2020年に違法な集会に参加したなどの理由で当局に逮捕され、その後も天安門事件の追悼集会に参加したので有罪とか、他にも、何のかんのと言いがかりのような罪を着せ、逮捕されたまま公判も延期されていましたが、先日12月15日に改めて香港国家安全維持法違反で「有罪」の判決が言い渡されました。量刑は後日発表する、とのことですが、極刑にならなければいいのにと心配です。
それにしても、ひどい話です。意見を言ったら問答無用で逮捕され、それまで築き上げてきた地位も名誉もはく奪して、全て中国共産党の言うことが正しいことにし、反対分子を排除してしまう。香港も中国と同じように、全く自由の無い閉鎖的な国になってしまいました。例えば、同じ中国でも1000年以上前の唐の時代には、諫官(かんがん)という役職が存在し、皇帝の間違いや政策の誤りを諫め、公然と批判する職位がありました。もし、その職位にあるものが批判せずに忖度ばかりしていると「職務怠慢」で罰せられることもあったそうです。また、民間人でも杜甫や白居易(白楽天)などは政治の腐敗や民の困窮を分かりやすい言葉で批判したりもしてました。それは、「皇帝は絶対であるが、間違うこともある。」という儒教的な考えに基づいていたからだそうです。今の中国には、永い歴史に培わされた英知のカケラもないようです。
それにしても、このジミー・ライ氏や、現体制に民主主義の戦いを挑んでノーベル平和賞をとったベネズエラのマチャド氏、ロシアのプーチンに一人で抵抗したナワリヌイ氏、永年、民主主義のためにミャンマーの軍事政権と戦っているアウンサンスーチーさんなど、時の権力と真っ向から戦い、負けること(自分が殺されるかもしれない。)ことが分かっていても自分の信念に基づいて行動する人たちは、すごいと思います。こんな人たちのことを真の英雄と言うのではないでしょうか。
自分の命をかけてでも勝ち取りたい「民主主義」や「自由」。しかしながら、その価値を我々日本人は、どの程度感じているのでしょうか? 日頃当たり前のように自由に政権批判や言いたいことが言える、また、人に迷惑をかけなければ、やりたいことも自由にやれる、「こんな日常」や「この当たり前」がいかに貴重かは、日本だけ見ていても分からないですが、一歩目を海外に向けると、彼我の比較の中で、はっきりと見えてきます。本当に日本って良い国ですね。こんな良い国がこれから先も未来永劫、続いて欲しいものだと思います。
1947年広東省で生まれ、9歳で両親と分かれた後は、幼い妹と知的障害を患う姉を一人で養わなければならなくなったジミー・ライ氏。駅で荷物を運びチップをもらいながら、12歳で密航船に乗って香港に亡命、必死に働いて34歳の時にGIORDANOを設立。そのライ氏は常々このように言ってました。「香港は私の家、香港に助けられ、香港に育てられたので香港のために全力を尽くす。」「私たちが闘いを続けるのは、勝てると考えてるからではなく、人間として誠実に自尊心を持って生きるためである。」・・・・・・・「命もいらず名もいらぬ、金も名誉もいらぬ人」(2024年6月10日付けブログ、山岡鉄舟を参照)が、香港にもいたのですね。
(あとがき)
実は、ニッセン時代からずっと今まで48年の付き合いがあった人(部下)が今週亡くなりました。68歳でまだまだこれから、と言うときに残念でたまりません。
亡くなった人を思うといつも感じますが、亡くなった後、誰一人として戻ってきません。そう考えると、多分、向こう(天国)は、よっぽど良いところなんでしょう。
心より、ご冥福を祈ります。
