· 

人の能力の限界とは? No,288

最初に(続きを読む)をクリックしてください。

 

あけましておめでとうございます。さあ正月、地元の氏神さんに「今年こそ平和な世の中になってほしい。」とお祈りした、そのすぐあとに、帝王トランプがベネズエラに爆撃して、大統領をさらっていくと言う好き放題の蛮行で、一市民のささやかなお祈りなど吹っ飛んでしまいました。このことは、状況が進んだ段階でまた書くとして、今日は「人の能力の限界ってあるのかなあ?」と言う話をしたいと思います。

中国人が多少減ったと言いながら、相変わらず観光客の多い京都ですが、「京都で観光するならどこがいい?」などと聞かれたら、私がまずお勧めするのが三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)です。1000体の千手観音(せんじゅかんのん)立像と中央に鎮座する大きな千手観音座像、合わせて1001体の仏像は、見るものを圧倒させますし、その仏像を守る風神雷神像2体、それから観音様に従う毘沙門天(びしゃもんてん)や帝釈天(たいしゃくてん)などの28部衆など。そのどれをみても見ごたえのある仏像たちです。そして、もう一つ、三十三間堂には別の顔があって、1001体を収める本堂西側の軒下は長さが121mもあり、江戸時代には、その軒下を端から端まで弓矢で射通す”通し矢”と言う競技が盛んでした。121mの距離を24時間で何本射通せたかを競うのですが、その記録を見ると、最初の記録は1606年に51本で清州藩の藩士が天下一の名を博しました。その後は、我も我もと各藩の威信をかけて競った結果、約20年後の1627年(寛永4年)には広島藩の藩士が1444本、さらに10年後、1637年(寛永14年)には、庄内藩の藩士が5044本。最終的には1686年(貞享3年)に紀州藩の藩士が8133本と言う大記録を作ってしまいました。最初の記録と比べると何と約160倍、24時間ぶっ続けで、放った矢の数13000本余り、約6秒から7秒に一本の矢を射て、その内60%以上を成功させると言う人間業とは思えない記録でした。「人間の能力ってすごい。」と思わせる史実です。その記録を最後に通し矢は廃れて行き、記録はここで止まっています。

さあ、本題です。この通し矢の記録と同じように「人の能力の限界って何だろう。」と思わせる出来事がありました。正月恒例の箱根駅伝です。今年のレースは、とにかくすごかった。青山学園が5区山登りでの大逆転から復路独走まで、大会新記録10時間37分34秒で走りぬきました。何がすごいかと言うと2位の國學院大學の記録も10時間40分07秒で昨年までの大会記録を更新しているのです。さらにすごいのは、20年前の2006年、その時に優勝したのは亜細亜大学でしたが、その記録は11時間9分26秒です。それに対して、今年の最下位、立教大学の成績は11時間5分58秒、つまり20年前だったら記録最下位の立教が、ぶっちぎりで優勝と言うことになります。たった20年で、記録って、こんなにも伸びるものなんですね。人間の能力の限界って、どこにあるのか分からないものです。あと20年したら、今年の青学の記録が最下位チームと同じ、と言うことになるかもしれません。

昔ニッセン時代に、エジソンが作ったGE(ゼネラルエレクトロニック)と言う会社と合弁会社を作っていましたが、そのGEを世界的な大企業として再生したジャック・ウェルチと言う人が、常に”ストレッチせよ”「自分で自分の限界を作るな。」と言って、従業員の能力を高めようとしていました。まさにその通りで、自分で自分の限界を決めていたら、こんな記録は生まれないでしょう。

このような素晴らしい記録を見ていると、私たち凡人でも、また幾つになっても、「まだまだできる。」んじゃないかと思わせる勇気をもらった感じがします。そう考えると、自分はこんなもんだろうと勝手に限界を決めていては、もったいないですね。自分で限界を決めてしまっていては、それ以上の成長はありません。今年71歳になりますが、もう一度、気合を入れ直して、頑張りたいと思います。皆さん一緒に、今年も頑張りましょう!

 

(あとがき)

人間の能力と言うと、世界には信じられないような能力を持った人がいます。例えば、エコーロケーション(反響定位)と言って、生まれつき目が見えない人が、まるでコウモリのように、自分が発した音が物体に跳ね返ってくる音波を感じて、その物体の大きさや形、その距離を知る人。また、ハイパーサイメシア(超記憶症候群)は、数十年前の特定の日に「何を食べたか?」「どんな天気だったか。」など、日常の些細なことでもすべて記憶している人、などなど・・・・・。そこまでの超人でなくとも身近にも金型職人などは手で触っただけで機械では測定できない1000分の数ミリを判断できますし、ワインソムリエは味覚・臭覚を鍛えて、ワインの原産地や銘柄、年代の違い、収穫時期まで分かります。本当に、人間の能力って一体何だろうって思ってしまいますね。かくいう私も目をつぶって麻雀の牌を親指で触るだけで当てる、いわゆる”盲牌”(もうはい)と言うものができますが・・・・・、まあ、ほとんど自慢にはならないですね、すみません。。

 

では、次回は1月20日ころに更新します。