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価値は変わる・・・No,291

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私たちの年代は、ほとんどの人が小学生時代に記念切手を集めており、そんなに興味のない私でも東京オリンピックの種目別切手や国立公園切手、その他にもあまり高くない記念切手をコツコツと集めていました。なけなしの小遣いで買った切手がちょっと値上がりすると子供心にも何か嬉しく感じたものでした。ところが、最近では収集家の減少と共に切手を集めていた人が亡くなったりして市場に多く出回ると、需要と供給の関係から価値も薄れ、価格が大きく下落しているそうです。3~40年前の記念切手などは、ほとんどが額面割れのようで、記念切手と言うものの価値が大きく変わってしまいました。

価値が大きく変わったと言えば、歴史的な結果に終った衆院選です。つい1年半ほど前には「もう自民党の時代じゃない。」「古臭くて、今の自民党に価値は感じられない。」と散々な大敗を喫した古臭い党が、高市フィーバーで歴史的大躍進。逆に1年半前の選挙では、自民党に肉薄し「政権交代もあり得る。」と思われた立憲民主党が、もう消滅する寸前にまで落ち込む。その数は、自民が198議席から118増えて316議席になり、旧立憲民主党は約146議席から21議席へと、信じられない負け方です。国民の政党に対する価値が、こんなにも劇的に変わるものでしょうか。

昔から、戦いや企業経営などでは、戦略(大きな方向性や大義)、戦術(勝つための戦い方)、戦闘(目の前で、どう実行するか)が、しっかりしていないと勝てないと言われています。いくら目の前の戦い、つまり戦闘が強くても戦略や戦術が間違っていれば、なかなか勝ちにはつながりません。つまり選挙では、戦略(党としての大きな方向性)戦術(各選挙区での戦い方)戦闘(毎日の行動)が優れていないと勝てないのです。今回の中道(と言うより旧立憲民主党)は、その中のまさに戦略と戦術を誤ったと思います。まず、大きな方向性(戦略)として中道を目指すという点。中道と言うからには、右でも左でもない訳ですから右と左の対抗軸が必要です。では、右(保守)を自民党としたら、左(革新)はどこでしょうか? 参政党や国民民主党は、旧立憲民主党よりも保守的な色合いが濃いようです。じゃあ、左は共産党と社民党か? 言っちゃ悪いですが、共産と社民合わせて何人の議員がいますか? あんな少数を左と捉えるのは無理があるし意味がありません。結局、有権者にとっては、右でも左でもない中道の意味が最後まで分かりませんでした。また、戦術も大きな間違いをしたように思います。昨日まで自民と一緒にやっていた公明党と票欲しさにくっついたことです。もともと主義主張が違うから今までの選挙では互いに戦ってきたのに、勝つための戦術とは言え、急に一緒になるのは無理もあるし、立憲民主党の支持者から見たら、「何考えてんねん。」と言うマイナス面も大きいでしょう。さらに比例で旧公明党を上位にしてしまったことは致命的な間違いでした。結果的に旧公明党は、21議席から28議席と3割以上伸ばし、先述したように旧立憲民主だけが、146から21議席へ7分の1になりました。これじゃあ、旧立憲の人たちは、選挙区で一生懸命にがんばっても勝つはずがありません。何か、歴史にでも出てくる話【人の良い王様が治めるR国はそこそこ栄えていましたが、大国を裏切った小国Kに「今、互いに手を組めば大国Jに勝てる。」と、そそのかされ、J国と戦いました。しかし、結局は散々たるもので、R国は大敗し国土は7分の1になり滅亡寸前に。一方K国はと言うと、どさくさに紛れてR国の一部を横取りして国土は3割も増えていた。】みたいな話で、R国(立憲民主党)には哀愁すら感じます。(公明党の支持者の方、すみません。)

さて、大勝した自民党ですが、国民は自民党に「政党としての価値を大きく感じているか?」と言うと、そんなことは全くなく、高市さんは好きだけど、自民党はねえ?と言う人も多くいます。事実、圧倒的な高市人気に対して、自民党の支持率は、石破さんの時代より若干高いだけで、そんなに変わっていません。つまり、高市さん人気で自民党に入れただけなので、この人気が衰える、もしくは状況が変われば、あっという間に元に戻る可能性があります。大体、フィーバーとかブームと言うのは一過性の現象と言う意味ですので、一端、過ぎ去れば国民の見る目は冷たいものでしょう。自民党は大きな爆弾を抱えたように思います。

それにしても、この劇的な結果は、驚くだけでなく、ちょっと背筋がヒンヤリする怖さもはらんでいます。たった一人の人気で極端に世論が傾いてしまう。このことは、良い方向に向けばよいが、違う方向に行けば大変なことになります。例えば、「日本は外国から、とやかく言われることはない。」と国際連盟を脱退し、「鬼畜米英」と国民を煽りながら泥沼の戦禍に突入した戦前の日本。アーリア人至上主義、反ユダヤと劣等民族排除を叫んで国民の人気を集めたヒトラーなど、全ては国民の人気が出発点です。

私自身は、どちらかと言えば昔から自民党を支持していますが、これだけ勝ちすぎると何となく危険を感じるのは、健全なバランス感覚のようにも思います。人気に流されず、高市さんが次に何をするのか、全く力の無い一市民ですが、しっかり見て行きたいですね。

 

(あとがき)

最近のテレビの選挙速報について・・・・・、8時になったら即「自民大勝」とか「自民で300議席超」とか、まだ1票も開票してないのに大きく報道されますが、まるで、1回にゴングがカーンと鳴って10秒でノックアウトしたボクシングの試合みたいで、一瞬のうちに勝負がついたら、その先楽しみがなくなって面白くないですよねえ。まあ、選挙は面白くなくてもいいのですが、実際の政治は、これから先長い間、国民がワクワクドキドキする施策を打ち出して、長く楽しめるものにしてほしいですね。

次回は2月20日ころ更新予定です。