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トランプさんが、「アメリカンファースト!」と言って大統領に就任して、早くも2年が経とうとしています。その後、世界中で自国第一と言うような動きになりつつありますが、これが集団にどのような影響を及ぼし、これからの世界がどう変わるのか、一市民の私でさえ心配になってきます。「国際政治の事なんか、難しいし、わからない。」と思うかもしれませんが、意外に簡単な心理ではないかと思います。ある本で読んだのですが、人はグループ分けした途端にそれぞれのグループに帰属しようという心理が働き、周りのグループに対して敵対心を抱くものだそうです。これを「集団規範」と言って、良い方向に向けば、一致団結して事に当たり、良い結果を招くのですが、過激に暴走してくると、相手を傷つけたりと言った行動に出るそうです。
例えば、学生時代に運動会でチーム分けした途端に敵と味方と言う感情が湧いてきたり、クラス分けすると、自分たちのクラスは学年で一番良いクラスで、他のクラスはもうひとつだと感じたり、その他でも自分がどの集団に属するかで、他人を仲間と感じたり、仲間じゃないと決めつけたりすることがあります。社会や職場でも、その最たるものは「派閥」と言われる集団で、派閥のトップが他の派閥の事をいつもボロカスに言い、他の派閥のおかげで自分たちが損をしている。「いつもあいつらが悪い。」「自分たちは常に一番で、他の連中とは違う。」などと言うことを毎日聞いていると、「自分たちが正しいので、他の連中は自分らの言うことを聞いておけばいい!」と自分たちだけを正当化して、そのうち「あいつらさえいなければ、もっと自分たちは得するし、やりやすくなる。」と周りを排除することさえ考えるようになります。
これが派閥ではなく、国だとしたらどうでしょうか?「自国民は偉大なのに、自分たちよりも劣る他の国や移民のせいで不当に苦しんでいる。」「なぜ自分たちだけが、こんなに苦労しなければならないのか?」「自分たちは、もっと良い生活ができるはずだし、自分達にはその資格がある。」と言う演説に「その通り!」パチパチパチと賛同し、国民の選挙で選ばれたのが、第一次大戦のあと戦争補償や国の荒廃で苦しんでいたドイツにおけるナチの台頭で、その総統がご存知のヒトラーです。トランプからヒトラーに即結びつけるのは、極端ですが、自国ファーストの思想のずっと向こうには、そのような危険もあり得ると思います。しかも、それも民主主義の結果なのです。
さて、派閥などで苦しんでいるリーダーはどうしたらよいか、例えば、その派閥を超える敵を見つけることは解決方法の一つです。企業であれば、「今、内部でいがみ合っている場合か!」「ライバル企業との競争で負けてもいいのか?」
「また、新たな社会構造の変化の中、今のままで企業が生き残れるのか?」と、各グループの目線を内同士ではなく他に向けて、その上で、みんなで協力しないと全員がマイナスになることを理解させる。そうすれば必然的に自社と言う一つのグループが他社と言う敵に向かって共に戦う形になり、派閥を超えた一つの大きなグループになります。企業の中で苦労されている方は、常にそのような方向を話すとよいのではないでしょうか。
ただ、企業等の場合は、これで良いのですが、国の場合は、何とも言えません。国内が不安定な場合にこのような策を用いることはよくありますが、例えば、韓国や中国の場合、外部の敵は常に日本でした。国の中で不協和音が聞こえてくると反日感情を煽り、結果的に国をまとめるというやり方は、過去に何度もありました。
これは、韓国や中国だけでなく世界中であることのようで、米ロ、米中の対立や北朝鮮での反米思想等々常套手段と言っても良いやり方です。国の中をまとめるために他国を標的にするのは、結果的に今度は国同士の対立になり、国が集まって宗教で一致団結したとしても、今度は宗教の対立が激化するだけで争いから逃れることはできません。唯一、争いの相手を人類以外に想定できれば、全人類が一つになって相手と戦うのでしょうが、映画じゃないので宇宙人との闘い等は望めません。可能性があるとすれば、これはあってはならないのですが、世界レベルの伝染病の発生や地球規模の自然災害、そのような状況になれば、国同士がいがみ合っている場合ではなくなり、必然的に世界中が協力するようになると思います。そのような大きな悲劇がなくても、人類の為に世界が協力して当たるべきは、病気や貧困の根絶、地球環境の保全、人類の本当の敵は、そこにあると思います。このようなことに対して国を挙げて、もっともっと大きな力を結集する。
具体的には、人・もの・金をそのことのためにつぎ込み、敵は人類同士ではない、ということを子供たちの教育を含め世界的に啓蒙することもせねばならないと思います。国連や国境なき医師団等の善意に頼るのではなく、国がある一定の金額をさらに供出し、ノーベル賞の本庶先生が言ってるようにガンや他の病気の根絶のため、研究資金を出す、また、難民や貧しい国の子供の生命を助ければ、成長して労働力となるでしょう。その労働に農業技術等の援助があれば、貧困が減り、将来の先進国の食料供給も増える。もし、ふるさと納税のように所得税の一部を納税者自身で使い道を決められるのであれば、そのような使い方に寄付しますね。そういうことを世界規模で行うことができれば、人類の未来は明るいのではないか、と・・・・・・
まあ、このくらいのことは誰でも思うのかもしれませんね。
いろいろ言う前にみなさん自分でできることをやりましょう。私も自分でできることをやろうと思い、今年も国境なき医師団に寄付をしました。少しだけですけど。ただ、ちょびっとの寄付しかしてないのに、その証明書を発行してもらって、税金の控除をしようと考えてることが少しみみっちぃですね。すみません。