引退 No34

平成最後の年の初場所で、第72代横綱稀勢の里が引退しました。

唯一の、そして久しぶりに誕生した日本人横綱だっただけに残念でした。

まあ、周りが残念だ、と言うのに比べると本人の無念さはいかばかりか、ケガに泣かさせて、

さぞかし悔しい思いだろうと思います。

私たちが小さいときは、「巨人、大鵬、卵焼き」が子供の大好きなもの、と言ってた時代ですから、

横綱大鵬の強さは、図抜けていて、負けたのをあまり見たことはありませんでした。

同じ年の千代の富士もまた現役時代の強かったこと、その他北の湖や貴乃花等、鬼のように強かった人たちも

最後には力の衰えに勝てず、えっと驚くような負け方をしながら、引退していきました。

現役時代が凄ければ凄いほど、引退をしていくときの姿には哀愁が漂っていて、

「あの強かった〇〇が引退するんだ。」と、人間誰もが時の流れには勝てないことを改めて感じてしまいます。

それは相撲だけではなく、他のスポーツでも華々しい引退やひっそりと誰にも知られない引退など形は様々ですが、

現役に終止符を打たざるを得ない時が来るものです。

この引退はスポーツ選手に限ったことではなく、企業に勤めている人たちにも同じように訪れます。

ただ、企業人の引退は定年と言う年齢によるリミットが決められていて、力の衰えとは限らない引退ですから、

まあ理不尽なこと限りないと思います。

気力、体力、経験もあり、まだまだ活躍できる人であっても、一定年齢になると同時に引退扱いにされて、

「働きたいなら給料は半分で、あと2年とか5年は働けますよ。」と会社から恩着せがましく言われる。

自分が60歳を超えているから言うのではないですが、私が経営しているパン屋さんには60代の方が

何人かおられますが、元気で仕事も丁寧で本当によくやってくれています。

ですから、これからも60代の方を積極的に採用していきたいと思っています。

これから定年を迎える皆さんも気力と体力がある限り、社会との交わりを持って働いたり、

何かを通じて社会に貢献したりと、次の人生をどう充実したものにするか、

つまり引退とは言いながら仕事で一つの区切りをつけることは、

それで人生が終わりではなく、新しい人生が始まるスタートラインだと、気持ちを新たにすることが大事ですね。

考えたら、稀勢の里も引退しましたが、年寄り荒磯として後進の指導に励み、

将来は部屋を持って立派な弟子を育てたいと抱負を述べていましたが、

現役の横綱は引退したけど、これから新たな指導者として次の人生の始まりを迎えたにすぎません。

私も4年前にニッセンを引退するという苦渋の決断をしました。

しかしながら人生はまだまだ引退していません。

その後、いくつかの会社と縁があり、日々充実した良い人生を送っています。

ですから、「今が人生で一番幸せなんじゃないかな。」と思う時があります。

話は変わりますが、スポーツや他の事でも素晴らしく活躍をした人であるほど、

先ほど話したように、現役を引退するときは、物悲しい気持ちになるのものです。

ただ、記憶の中には素晴らしい活躍をしていた時のことが永遠に残っており、

それは何年たっても色あせるものではありません。

逆に年を経るごとに印象が強くなるケースさえあります。

企業の中でも記憶に残る人は何人もいます。

そして、

そんな人たちのことを語り継ぐことで、そのの社風や厚みのようなものが形作られるのだと思います。

みなさん、周りの人の記憶に残る生き方をしていますか?

人に言う前に、私の企業人としての生き方は、周りの人の記憶にどのように刻まれているのでしょうか?

それは、みんなに聞いてみないと何とも言えませんが、

ただ、私がニッセンの社長時代にやった功績は?と言われると、それは一つだけあります。

私がニッセンを引退する4~5年前だったと思いますが、広島のコールセンターで非常に優秀な方がおられて、

年末に表彰をすることになりました。

ところが、その方はガンに侵されており表彰式には出られないとのこと、

急遽、当時の役員と入院されていた病室に行き、病室で表彰状を読み上げ表彰をしました。

点滴をうちながら、その人が「一年前に見つかったら早期だったんですけど・・・・・」と

ボソッと言われたのを覚えています。

その方は、残念ながら、それから数か月後に亡くなりましたが、「一年前に・・・」の言葉が耳から離れませんでした。

そんなわけで次の年から、それまで役員だけが受けていた人間ドックを

少し簡易版にして従業員全員に胃カメラを含めた健康診断を実施するように人事に指示しました。

年間1000万円くらいかかったでしょうか、反対はありましたが何とか実施にこぎつけました。

そして、全員に健康診断を実施したその年に、一人の男性が早期の胃がんであることが分かりました。

医者には、「一年後だったら手遅れだったが、今なら早期発見できたので手術で治る。」と言われたそうです。

顔を紅潮させて、その従業員が報告してくれましたが、

そのことを聞いた時に広島の病院で一年前に亡くなった方の顔が浮かんできました。

たぶん、彼女が助けてくれたのでしょう。

私が社長をしていて誇れるのは、そのくらいです。

あとは、・・・・・何とも言えないなあ。

皆さんも健康診断に行ってくださいね。

 

次は、2月10日あたりです。

 

 

 

 

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