人の資質 No.45

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最近、「言論の自由」と言う言葉がひょんなことから目に付くようになりました。維新の若手議員(丸山穂高)による「北方領土は戦争をしないと取り返せない。」と言った発言に対し、議員辞職を迫る他の議員団に「言論の自由が侵害される。」として当該本人が反論しています。そもそも言論の自由と言うからには、本人が言ったことに責任を持たないといけません。内容については別にして、自分の主張として言うことは勝手ですし、北朝鮮や中国のような専制国家ではないので、ある程度の発言(名誉棄損等の法律の振れない限り)は、保障されないといけません。

しかしながら、この人は自分の発言が正しいと主張しているのではなく、失言である、と認めて謝罪もしているにもかかわらず、議員辞職と言われて”言論の自由”を持ち出しています。法律には触れないまでも今までの島民の方や返還のために苦労された方の努力を水の泡にする可能性がある失言に対して責任をどう表すかという時に、このままでは”言論の自由”が奪われるなどと言って開き直るのは筋違いです。

”言論自由”の前に、このような発言をする人が国会議員としてふさわしいかどうか、資質が問われているので「私は、このような発言をしましたが、これこれこういう理由で国会議員としては辞職するべきではないと思っています。」と論戦を張らなければ筋が通りません。「酒を飲んだ席の事だから・・・」と、たわ言をほざいているようですが、これも潔さがなく悪あがきとしかとれません。酒飲みの代表としては、悪いことがあると酒のせいにするなど、何をかいわんや、全くけしからん奴ですね。ばか者!酒の神様に申し訳ない。

大体、最近の政治家の発言は、それを言ったらどうとらえられるのか、と言った想像力がないケースが多いですね。「私、すぐ忖度するんですよ。」とか、よう言うなあ、と思います。自分の発言を聞いた相手がどう感じるか、そのような想像力がない人は、人の上に立つべきではありません。それに比べたら、桜田大臣の石巻(イシノマキ)市を「イシマキ市」と言ったり、1500億円を「1500円であります。」は、お笑いの延長のようで、まだましかなと思います。さすがに「復興より大事・・」はどうかと思いますが、たぶん他意はないんでしょうね。

まあ、政治家は大変だと言うことは、私の高校時代の同級生が福岡県で県会議員をやっていますが、一緒に飲みに行ってもよくわかります。その辺の人全部が選挙の時にはお願いをする有権者なので、どこに行っても頭を低くし、また地元のみんなが知っているので、どんな時も気を張っていて、いわゆる悪いことなど全くできません。

そういえば、昔こんな話がありました。プロ野球界で盗塁の世界記録を作った阪急の福本選手に国民栄誉賞をと、言うことになりましたが、本人は、「そんなんもろたら、立ちションもできなくなる。」と言って辞退しました。おもしろいおっさんやなあ、と思っていましたが、案外、彼は常識人でまっとうな人ではないかと思います。後日、記者にそのことを聞かれると「立ちションの話は、本当に言いました。でも理由はそれだけではありません。私は野球では記録を作りましたが、酒も飲むしタバコも吸う、麻雀などのギャンブルもする。そんな僕は子供たちの手本にはなれません。また、そんなことで何やかんや言われたら、国民栄誉賞をもらった他の皆さんに迷惑がかかります。だから辞退しました。」と語っていました。東大を出たから、親が政治家だったからと言って安易に政治家になる前におのれの資質を冷静に振り返って、本当になる資質があるのかを考えることですね。そして、資質がないと感じたら福本選手ではないですが、政治家になることを断念する。その方が、その人にとっても国民にとってもいいことだと思います。また、他の人にも迷惑をかけずに済みます。逆に、正直に自分のことを分析できる福本選手ならばこそ、今さらながらですが、国民栄誉賞をあげたかったですねえ。

 (あとがき)

いろいろ言いましたが、もし私が政治家になっていたら・・・・・・・・「風邪ひくのは気合が入ってない証拠や!」などと言って、あっという間に炎上、謝罪しなくてはならないでしょうね。政治家にならなくてよかった。(実は大学を卒業する前に地元の有力者から、ある議員の秘書にならないかと誘われたことがあります。もし、なっていたら案外政治家になっていたかもしれないなと、思うこともあります。40年以上も前の話しですけどね。)

 

 

 

 

 

 

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