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私は九州で「伊三郎製ぱん」というパン屋を2軒経営していますが、その本社が福岡県の久留米市にあります。
その久留米駅の前に「からくり太鼓時計」という、時間が来たら文字盤がくるりと回転し、中からおじいさんが現れ、
自分の作ったからくり人形等を説明してくれると言うモニュメントがあります。
そのおじいさんが、久留米の出身で今回のタイトル「からくり儀右衛門」こと、田中久重と言う人物です。
この人は、江戸末期から明治にかけて活躍した発明の天才で、単なるからくり人形にとどまらず、
人形が弓を曳く「弓曳童子」や圧縮空気で自動的に油を補充する「無尽灯」さらには、江戸時代の時間の考え方は、
今と違い不定期法であるため、日が昇って日が沈むまでを6等分し1刻としており(夜も同じように6等分する。)
夏と冬、昼と夜では1刻の長さが違ってしまうのですが、それを自動で計算して文字盤の間隔が変わる「万年時計」、
と言う超複雑な時計を開発したり、
また、江戸末期の1853年には、国産の蒸気機関車や蒸気船の製作、その他相当数の発明を行い、東洋のエジソンと呼ばれるほどでした。
その田中久重が明治になって、興した会社が田中製造所、その会社が芝浦に移り、その後東京芝浦電気と名前を変え、
現在に至っています。そうです、今の東芝です。田中久重は、東芝の創業者です。
その東芝が、たった1滴の血液でガンが99%の確率でわかる機械を開発しました。
ガンになると血液中のマイクロRNAと言う物質が増えることを発明し、13種類のがんはステージ0の時からわかるそうです。
これはすごいことだ思います。
13種類のがんを調べようと思えば、時間も金もかかり、何といっても胃カメラや大腸カメラは、
人によっては苦痛を伴いますので、結果的に行かない、と言う人が多いのが現状です。
それが、1滴の血液でほとんどのガンが分かるのですから、大いに検査を受ける人が増えて、
ガンでの死亡のリスクは大きく下がるはずです。
平均寿命を何歳か高めるのではないでしょうか?
昔は技術立国とか言ってた日本ですが、もはやアメリカや中国には大きく差をつけられて、
エコノミックアニマルと恐れられていた経済も世界の時価総額上位50社には、トヨタが出てるだけ、
ちなみに平成元年の世界時価総額上位を見るとNTTが1位、以下トップ5は全て日本企業、50位までの内、
32社が日本企業でした。
そのような時代に世界でも平均寿命が1位の日本は、長寿や健康に関しての技術を磨くことで、
世界と渡り合える力が復活するように思います。
長寿の要因の一つに健康保険制度など、国の援助制度があると思いますが、
病気になった後だけではなく、病気の早期発見や病気になる前の国民の健康にも予算を大きく割き、
大学の学部等でも病気を治す医者を育てる医学部だけでなく、
病気にならないためにはどうするか、と言った健康推進学部みたいなものも新設し、
国を挙げて健康に取り組み、その成果を世界に輸出する。
その内、必ず世界中で寿命が延び、健康についての関心が高まるはずです。
その時に日本の技術や経験が大きく評価されれば、輸出産業の一角として大きな成果を出すのではないでしょうか。
国民の健康を促進することが、世界に通用する産業を育てることになるわけですから、
そんな良いことはないですよね。
と明るい未来を想像しながら、最後は、田中久重が言った言葉で締めくくりたいと思います。
「知識は失敗より学ぶ。ことを成就させるには、志があり、忍耐があり、勇気があり、そして失敗があり、
その後に初めて成功するのである。」
東芝も不正経理問題等で2016年に医療分野をキャノンに売却していましたが、
昨年、再参入しました。
志と忍耐と勇気があればこその今回の大発明だと思います。
いろいろ問題はありましたが、東芝に拍手ですね。
では、今回は少し早く更新しましたが、
次回は師走の10日ころです。