
コロナ・コロナで上期が終わり、さて後半は良い方向に行くかな、と淡い希望をもって7月に突入した途端、九州で大雨!
被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。
私も九州出身ですので、関係のある所も多く、心配しています。
それにしても、ここ数年、災害が起こるたびに決まって気象庁やマスコミが使う言葉、
「数十年に一度の・・・です。」は、はっきり言って、使うべきではないと思います。
なぜなら、”数十年に一度” が毎年起こっているのに、あたかも、
「たまたま一生の間に一度しか経験しないような、稀な出来事が起こりました。」と言ってるように聞こえます。
でも事実は、大雨特別警報(東日本大震災等の命に係わる最大級の危険を表す警報)は、
制定された2013年から毎年出ているそうです。
つまり、毎年、命に係わる数十年に一度の災害が日本列島を襲っているわけで、
そうなると、もちろん来年も来る可能性が高く、「どこが数十年に一度だ!」と言いたくもなります。
黒澤明の「七人の侍」は、山村の貧しい村に毎年のように野盗が現れ、収穫した物を奪ったり、女性を連れ去るのを
見かねたお百姓さんたちが、その護衛を探しに街に行き侍を七人集めると言う話です。
このように、毎年来ると言うことが分かっていたら、対処の仕方もあるでしょうが、
数十年に一度なら、「しばらく大丈夫。」と思ってしまうのが人情です。
お百姓さんたちは、なけなしの米を集めて、侍を雇おうとするのですが、それはつまり、今ある全財産を使ってでも
野盗から身を守ろうと試みてるわけです。
そう考えると、来年も来る野盗(災害)のためには、最優先で金を使うべきで、借金しようが何しようが、
来年もまた来るのですから、時間がないと認識すべきです。
果たして、国や地方自治体は、この災害を「数十年に一度」と考えているのか、「毎年来る野盗」と考えているのか、
さしずめ、遠山の金さんなら片肌脱いで「おう、おう、おう、この遠山桜の前で、はっきり言いやがれ!」と
啖呵をきっているところでしょう。
マスクに500億円近くかけるなら、たくさんある河川の護岸工事の一つでもできるでしょうし、
危ない地域には、高台に避難所を作ったり、避難訓練をもっと実施する、等々、
必ず来ると思えば、行動が変わるように思います。
また、国や地方自治体に文句を言うだけでなく、私たちもできることはやらねばなりません。
今朝もテレビでスーパーボランティアの尾畠春夫さんが大分で浸水の後片付けをしていましたが、
本当に頭が下がります。
現地までは、なかなか行けない私たちですので、まずは寄附をする、
そして、もう一つ、この時こそ”ふるさと納税”を活用して、少しでもお役に立てればと思っています。。
元々、今のふるさと納税のやり方には、多少文句があって、自分で税金の一部を収める自治体を決められることは、
大変良いことなのですが、返礼品の制度に反対です。
返礼品の良し悪しで納税先を決めるとなると、人気のある商品を抱えている自治体は、お金が集まりますが、
無いところは集まりません。それは税金と言うより小売りの商売と同じです。
しかも、自分の自治体でできる商品しか売っちゃいかん、と制限された不公平な商売です。
そして、1万円収めても返礼品の原価や送料、サイト運営者に払う費用などを引けば、
実際に自治体に届く金額は、3~5千円くらいになるのではないでしょうか?ここが問題です。
政府の規制が入って以前よりマシになって、そのくらいだと思います。
元々地元に入っていた税収が、どこか知らんところの返礼品に変わって、
税額合計は3~50%に目減りしてしまうのです。
だから、今回などは、返礼品は不要、お金は復興や災害に備えるための工事等に使ってくれ、としたら良いと思います。
それも”ふるさとなんちゃら”のサイトを通さず、直接できるようにする。
政府や九州の自治体が九州豪雨のための”ふるさと納税サイト”を作れば、宣伝にもなって良いと思います。
数十年に一度、が本当にその通りであることを願っていますが、来年も再来年も同じことが続き、
その都度、「数十年に一度・・・」が出るようでは、残念ですね。
いろいろ調べていると、面白い記事がありました。
オランダは、国土自体が海面より低いところもあり、川の氾濫と海の高潮に悩まされていて、
特に1916年の大洪水と1953年の高潮被害は甚大だったそうですが、
その都度、治水に努めて、被害はそれこそ何十年に一度にとどまっているそうです。
そして、今でも治水は進められており、治水の担当者はこう言ってるそうです。
「私たちは、大洪水と記録的な高潮を経験しているので、今は、その二つが同時に来る可能性、
つまり1万年に一回の脅威に備えようとしている。」
すごいですね、日本もそのくらいの覚悟で治水を考えても良いのかもしれませんね。
では、次は7月20日ころ更新します。