やせ我慢 No.102

ようやく寒さが本格化してきて、日本列島各地で大雪の被害が出ています。ゴルフをしても寒くて体が縮んでしまいますが、この季節になると”足の裏の冷たさ”が懐かしく昔を思い出させます。と言うのも私は中学生になってから高校を卒業するまで、靴下を履いたことがありません。何も家が貧しくて靴下を買えなかったわけでもなく、何かのアレルギーで履かなかったわけでもありません。元々春から秋までは靴下など履かなくても生活ができていましたので、靴下は冬だけのものと思っていたのですが、中一の冬に、何となくもうちょっと靴下を履かずに我慢してみようという軽い考えで裸足(素足)の生活を始めました。ところが始めて見ると、「もうちょっと我慢しよう。」「寒いけどもう少しいけるかな。」と言っているうちに年を越えて、春になりました。そうなると、何とか続けようというモチベーションが働き、その次の年も、またその次も、さらに高校になってからも靴下を履かず、大学になってスーツを着る機会が生じたので、その時に久しぶりに靴下を履きました。なので、私は大学の時も靴下は2足くらいした持ってなかったように思います。周りから、「寒くないのか?」「足冷たいやろ。」と言われるのですが、「全然。」と平気な顔をして毎日を過ごしていました。(実際に慣れてくると、そんなに寒いとは感じなくなるようで、これが当り前と思っていました。)いわゆる”やせ我慢”をしていたわけですが、そんな意味のない”やせ我慢”が役に立つのかと思っていましたが、これが案外、役に立つようで、スタンフォード大学の「マシュマロテスト」なるものの結果を見ると、4歳の子供の目の前にマシュマロを一つ置いて、「これ食べてもいいけど、15分して戻ってくるまで我慢出来たら、もう一つあげるよ。」と言って、子供を一人の部屋に入れて立ち去ります。そうすると、3分の1くらいの我慢できない子は大人が出て行った直後にペロッと食べるが、残りの3分の2の子は、目を隠してマシュマロを見ないようにしたり、歌を歌って紛らわしたり、いろんな努力をしながら15分耐えて、マシュマロを2個ゲットしたそうです。そして、その子らの18年後に追跡調査をすると、我慢できた子は我慢できなかった子よりも学業の成績もよく、周りとの協力関係も築けていた、さらに40年後に調査すると、社会的な成功を多くおさめていたことがわかり、生涯、その傾向が続いていたことが証明されました。こう書くと、何となく自分のやったことを正当化しているようで申し訳ないのですが、やはり社会に出ると、我慢せねばならないことが山ほどあるので、人間、辛抱が大事だという事が本当にわかります。私が靴下を履かずに”やせ我慢”してたことも社会に出て役に立ったと思っておきます。ところで、やせ我慢と言えば、1万円札の福沢諭吉も、かの「やせ我慢の説」と言う著書の中で、勝海舟(かつかいしゅう:西郷隆盛との会談で江戸を明け渡す代わりに戦乱を避けた、当時の幕府の責任者)や榎本武揚(えのもとたけあき:新選組の土方歳三らと函館五稜郭に戦線を移動し最後まで新政府軍と闘った幕府の海軍責任者)と言った維新の立役者に対して、痛烈に批判しています。まず、勝に対しては、無血開城で江戸の庶民を救ったというが、戦いもせずに降参するとは何事か、親の病が重いからとすぐに安楽死させることと同じ、最後まで希望をもってやりつくすことが武士の本道である。榎本には最後まで函館で政府軍と闘ったことは称賛されるが、降伏した後に新政府の高官、大臣を勤め立身出世することは、榎本を大将として意を同じくして戦い、死んだ者に対して、どう思うのか? 武士の基本、国家の基になるのは、やせ我慢の気概である。両名には、その大事なやせ我慢がない、今すぐ政府の高官を降りて、死んだ者の霊を弔え、と言った内容で厳しく批判しています。さて、現代においても為政者の中には、私腹を肥やしたり、庶民を顧みない、やせ我慢が足りない人が多くいるようですが、1万円札を見るたびに福沢諭吉のやせ我慢についてを思い出してはいかがか、と思いますね。

 

今日は、やせ我慢、辛抱が大事だと言いましたが、最近のコロナの影響による医療関係者の方々の我慢は、すでに限界に近いようです。テレビや新聞などでも、そのご苦労が毎日のように報道されていますが、何とかならないものかと心を痛める毎日です。そんな医療関係者の方々も含めて、世の中はボーナスカットや給料が下がって大変、さらに店や会社がつぶれた話も聞くようになりました。今こそ、日本中の議員と名の付く人や各首長は、ボーナスを全て医療従事者などに寄付して、見事なやせ我慢を見せてほしいですね。

 

さて、いいよ次回は2020年最終のブログです。

30日ころ更新する予定です。

最後に、私もほんの少しですが、医療従事者の方に福沢先生をお届けするようにしました。

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