五輪と子守歌 No.124

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さあ、待ちに待ったオリンピックが始まりました。紆余曲折があり、多少ケチも付きましたが、やっぱりオリンピックは面白いですね。

さて、そのオリンピック憲章の根本原則の中にかかれている目的に”平和な社会の推進のため”と”人類の調和のとれた発展”と言う言葉が出てきます。つまり、人種・肌の色・性別・性的志向・言語・宗教・政治・その他の意見・社会的出身・財産・出自・その他の身分、等々あるとあらゆる差別をなくし、スポーツに集う事と書いています。今までもそのようなオリンピックのメッセージはあったのでしょうが、今回、奇しくも何人かの言動で改めて、女性蔑視、障害者いじめ、大量虐殺への冒とくなどがクローズアップされ、それが許されないことだという判断を全世界で確認することになりました。これらの発言は確かに問題ではありますが、これだけ多くの機会と時間を使い何が正しいかの確認ができたのは、今後にとって役に立つのではないでしょうか? 我々大人だけでなく、これから自分で判断をしていく子供たちも、何もなければ軽い気持ちで差別をしていたかもしれませんが、「やってはいけないことなんだ。」と理解するきっかけになれば、このオリンピックもケチが付いたと嘆く必要は、ないかもしれません。 

そんな差別のことがメディアで毎日流されていた時にたまたまyoutubeで昔のフォークソングなどを聞いていたのですが、久しぶりに聞く懐かしい曲が流れてきました。「竹田の子守歌」と言う1970年代初めの曲でとてもいい歌です。「(写真は昭和の子守りたち)いや~、いつ聞いてもいい歌だなあ。」と聞きほれながら見て行くと、歌詞の説明等が流れてきて驚きました。もともと竹田と言う地名はどこの竹田か知りませんし、高校生くらいの時でしたから詳しい歌の背景も知りませんでしたが、竹田とは京都の竹田のことで、しかも原曲に近い歌詞には、吉祥や久世と言った地名も出てきます。私が京都に来た44年前から35年間は吉祥院に会社の本社があり、途中10年くらいは竹田の事務所で仕事をしていたので吉祥院と竹田の行き来は久世を通ってました。つまり、私が働いていた期間のほとんどは、竹田の子守歌と何らかの関係がある土地で生きていたのです。

そして、さらにこの歌が、被差別部落の貧しい子どもたちが赤ん坊の子守りに出された際にうたった悲しい歌であるという事も知りました。♪盆が来たとて、なにうれしかろ、かたびらはなし、帯はなし♪{盆や正月が来ても何もうれしいことはない、新しい着物や帯が買えるわけでもないから。}♪久世の大根飯、吉祥の菜っ葉飯、またも竹田のもんば飯♪ {久世では大根で量を増やす大根飯、吉祥では菜っ葉をたくさん入れた菜っ葉飯しか食べられない、でも竹田のもんば(おから)のご飯よりもマシ} ♪早よも行きたや、この在所越えて、向こうに見えるは親の家♪ {早く帰りたい、あの在所(部落)越えて、その向こうにはかすかに親の家が見えるのに、どうして帰れないの。}そして、この”在所”と言う意味には被差別部落の意味もあるということでした。なので、その部落を越えては家に帰れない、と一般的には解釈されているのですが、私は、ちょっと違う気がします。被差別部落の子たちが子守りに出されたら、逆に”在所”は普通の街で、被差別部落の子は家に帰るのに、そこで、いじめられるので通れない。だから家に帰れない。と解釈します。

それにしても高校生の時から50年経って、何で今頃分かったのか? それはyoutubeなどで情報収集力が付いたこともありますが、根本はこの「竹田の子守歌」がしばらく発売禁止、マスメディアでは放送禁止になっていたからなのです。禁止の理由は、”在所”が被差別部落を表すからだということです。全くバカな理由です。在所が被差別部落を指すものである、とか、ないとかの前に、もしそうであるなら、なおのこと、みんなでそのことについて意見を言い合い、何が悪いのかを明らかにすべきだと思います。

例えば、私の解釈通りとすれば、「昔、生まれとか職業とかでいわれのない差別を受けてた人たちがいて、家が貧しいので小学校の低学年で赤ちゃんの子守りに出された女の子たちもいました。その子たちは食べるものもちゃんと食べれず、親に会いたくても途中の街でいじめられるので帰れなかった。」と話をして、多くの子供たちに、どう思う?と考えさせれば、良い教育になると思います。「そんな可哀そうなことやめよう!」と言い出す子が出てくるでしょうし、そうなればいじめも減ります。何でもかんでも臭いものには蓋で、隠してしまえば良いというのは、自らの進歩を断ち切ったようなものです。本来の教育とは、そういう逃げの姿勢では全うできないもののはずです。道徳の時間に「竹田の子守歌」をみんなで考えてみてはどうでしょうか?

 

 

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