遠い昔の他人事・・No.126

8月15日、戦後76年目の終戦記念日でしたが、今年の新聞テレビ等のマスコミの扱いは、例年とちょっと違っていました。まず新聞の一面での扱いは、数紙が端っこに”今日、終戦記念日”と小さく、「一応載せてますよ。」と言わんばかりの扱いです。テレビ等の取り上げ方も例年より少なく、「終戦記念日やったんや。」と言う感じでさっと過ぎて行きました。確かにコロナや大雨等の自然災害の真っ最中ですから、今更終戦と言っても遠い昔のことだし、実際に戦争に行った人の数も1万人を切ったと言われています。戦争に行かなくても、戦前に生まれた人でさえ総人口の15%を切っているので、どこか昔のこと、どこか他人事のように扱われ、コロナや自然災害が無くてもマスコミの取り上げる量は少なかったかもしれません。あと10年もしたら、”海の日”とか”山の日”と同じように”終戦の日”と言う文字だけ記憶されて、その意味など、あまり考えようとしなくなるのかもしれません。と言うか海の日や山の日は休日ですが、終戦の日は休日でも何でもないので余計に忘れられていくように思います。写真は昭和20年、私の生まれた北九州市八幡の大空襲写真です。広島や長崎、東京や沖縄だけでなく日本中で大きな被害と犠牲者が出ました。その時代だけでなく、現在でも中東やアフガンのことを考えると平和がいかにありがたいか、しみじみ考えさせられます。その平和を守るためには、国の武器も必要だとは思いますが、その武器をどう使うか、が非常に重要になる訳ですが、実際に武器を使った兵士の言葉で興味深いものがありました。太平洋戦争の発端となった真珠湾攻撃に参加したパイロットの方が100歳を越えてまだご健在です。その方の言葉に「私たちは敵の空母や戦艦を沈めることだけを考えて訓練していました。実戦で爆弾が命中し沈没すると、やった、と喜びました。ただ、後から考えるとその空母や戦艦を動かすために何人もの人が乗っていて、その人たちも犠牲になったことを考えると胸が痛みます。」と言ってました。戦争は敵艦や敵機に攻撃を加えることを第一の目的として始まりますが、その中には人がいて、結果的に人の殺し合いで、どれだけ多くの人を殺したかが勝ち負けにつながる単純なゲームです。果たして戦争を始めた人たちは、初めから人を殺すのが目的、また味方も殺されることも覚悟、して戦争を進めたのでしょうか? 飛行機を落とす、敵艦を沈没させる、戦車を爆破する、敵の基地を破壊する、それらは全て、そこにいる人間を殺す、味方も殺される、戦争を推進した人たちがみんな、そう考えていたとは思えません。国の利益を考えてと言いますが、国=民のはずですから、その民が多く犠牲になることが分かっていて進めるのは決して国益にはならないはずです。体裁、外聞、意地、思い込み、当事者意識の欠如、そんなものが戦争を抜き差しならないところまで追いつめたようにも思います。そして、それはA級戦犯や時のリーダー等の戦争責任者だけでなく、戦争を賛美し、うその報道をしながら多くの国民を死に追いやった大新聞等のマスコミも同じ責任です。当時のマスコミ関係者などは、A級、B級戦犯と同じくらい大きな責任があるはずです。しかしながら、

自分たちの責任の大きさを真っ向から議論し、次につなげようという動きは今見られません。過去にはそのことを反省する番組があったかもしれませんが、責任はずっとついて回るはずです。一回や二回やりました、で終わってはなりません。誰が悪かったと責任を押し付けることが目的ではなく、無益な戦争を二度と起こさないためにはどうするか? 終戦記念日ですから、年に一度くらい、そんなことをみんなで考えるきっかけにしてもいいのではないでしょうか?

 

私が10歳の時の8月15日の新聞を今でも覚えています。 陽の当たる広い野原で20歳の女性がただ座ってくつろいでいる。そして見出しは、「あの日に生まれた子供が二十歳になりました。」みたいな言葉です。あれから20年、日本にも本当に平和が来た。という雰囲気が紙面全体から感じられるものでした。私は、戦争が終わって10年後に生まれました。戦争は決して、遠い昔の他人事ではないはずです。

 

さあ、夏も盛りを過ぎようとしていますが、相変わらずのコロナの拡大、大雨の被害、なかなかいい話がありませんが、生きてるだけで幸せ、文句を言わずにまた頑張りましょう! 次回は8月末に更新予定です。

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