時を超える竹馬の友 No.181

私は北九州の八幡と言うところで生まれました。高校まで北九州で大学で大分に行ったので、ニッセンに就職するまでの22年超は、ずっと九州でした。とは言え、九州を出てからすでに45年が過ぎ、九州は「遠い昔の思い出の地」のはずです。ところが最近、実家に一人で住んでる父の顔を見に、月に一度九州に帰ると、必ず10人近くの昔の友達が飲み会を開いてくれます。小学校、中学校、たまに高校、そして時々大学とそれぞれの昔馴染みは、いまだに付き合ってくれています。最近でも集まった連中に「ところで、今日のメンバーは、いつ一緒だった?」と聞くと「お前、いまごろなんちいいよんや。中学(写真の北九州市立中央中学校)に決まっとろうが。」とか言われながら、会うとあっという間に50年以上前の中学生に戻ってしまいます。利害関係もないし、地位が上や下も関係なく、単に昔遊んだ続きを飲み会でやっている感じです。別にみんなが三年間一緒だったわけではなく、それぞれ、どこかで同じ組になったか、同じ組になってなくても同じ小学校とか同じ高校、中には同じ幼稚園まなど様々です。 考えてみると、たった一年かそこらの付き合いで、50年経っても話が尽きないのは、よっぽど中身の濃い付き合いをしたのだと思います。しかし、それは私だけのことではなく、みんな同じ感覚なのです。理由は、このブログでも書きましたが、ジャネーの法則(2021年12月30日付けブログ)と言って、若いころの一年と年を重ねてからの一年では心理的な時間の長さが大きく異なる、つまり、「10代の1年は50代の5倍以上に長く中身の濃い時間と感じている。」からなのです。だから、たった1年やそこらの付き合いだったとしても、その間の経験や成長は年を取っても色濃く心の中に生きているのです。その証拠に13~15歳くらいだった少年少女も還暦を優に越え、世間から見たらオジイちゃん、オバアちゃんですが、顔を見たら50年前の悪童や可愛い少女の面影が残っているので、ほとんどすぐにわかります。中年になってから知り合って仕事で一年同じだったと言っても、そんなに仲良くはなれないでしょう。こんな仲間がいて、「人生本当に良かったなあ。」と思っている時に、ふと今の子供たちはどうなんだろう?と不安になりました。コロナが生活に浸透してからは、人生で一番濃い思い出を作るときにマスク越しで仲間の素顔も見れずに、また修学旅行や体育祭、文化祭などの人が集まることがほとんど中止になりました。この異常な期間は彼ら彼女らの将来に、どんな影響を及ぼすのか? 考えると何か寂しいものを感じてしまいます。社会人になって何十年か後に果たして会おうと思うだろうか、会っても話すことがあるのだろうか、それよりも会って顔は分かるのか? 要らん心配かも知れませんが、この間を小学校から大学まで学びの場で過ごした人達にとっては、経済がどうの、医療ひっ迫がどうの、と言う問題よりもっと大きな禍根を残したように思います。2020年1月16日に日本でのコロナ第一報が出されて、早くも丸三年、不自由な学校生活を強いられた若者たちが、堂々とマスクなしで集まれる日が来ることを願うばかりです。学生諸君、マスク越しでも修学旅行がなくとも50年後に仲間と会えば、「よ~お、元気か。」と時を越えて懐かしい、そして良い思い出がよみがえると思います。

負けるな、少年少女たち! 50年以上前の少年からのせめてものエールです。

                         

(あとがき)

竹馬(ちくば)の友などと言う表現は、いかにも古い言い方で、我々の子供時代でもすでに竹馬で遊ぶことは無かったですが、何かほのぼのとした幼い仲の良い友達同士を連想させます。ところが、語源は古く、晋(西暦265~420年)の時代にさかのぼり、このいわれは、恒温(かんおん)と殷浩(いんこう)と言う幼馴染がいて、互いにいがみ合い張り合っていた。ある時、殷浩が左遷させられると、恒温は「あいつとは、いつも竹馬に乗って遊んでいたが、いつも俺の捨てた竹馬を拾って乗り回していたくらいだから、俺の方が上になるのは当たり前だ。」とそれがさも当然のごとく言ったそうです。ひどい奴らですね。仲の良い昔の友達を竹馬の友と呼ぶのを、ためらってしまいますね。でも、みなさん、竹馬の友は大事にしてください。これから先、減ることはあっても増えることは無い友達ですから。 今回は少し早く更新しました。次回は30日くらいです。

 

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