新説?アラジン No.191

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あるところに、いつも文句ばかり言ってる普通のおじさんがいました。名前は荒井甚太郎、あだなはアラジン。口癖は、「一つも良いことがない!」「俺は運がない。」「俺みたいな不幸な人間はいない。」と全く建設的な発言のない人です。

そんなアラジンさんがいつものように奥さんの作ってくれた弁当を食べ、「相変わらずまずい。」と文句をたれながら、小雨の中、爪楊枝でシーハシーハしていると、小松政夫のような変なおっさんが出てきて、「ニンドス、ハッカッカッカ、ヒジリキ、ホッキョッキョ。」と言いながらアラジンおじさんに近づき、「ハイ、またお会いしましたね。怖いですね、怖いですね。」何が起こったかきょとんとしているおじさんに畳みかけるように「”もーイヤ、こんな生活”って思ってませんか?」「そうでしょう、そうでしょう、ならば私が願い事を3っかなえて差し上げましょう。私の名前は、ジーニーざんす。」ふざけんな、と思いながらも「そう言えば、アラジンと魔法使いのランプの魔神はジーニーやったなあ。」と思い出し、このあともどうせ会社で上司に怒られるだけやから、「ちょっとおっさんからかってやるか。」それだけでなく、アラジンさん以前から、「物語に出てくるやつらは、バカばっかり。3っ願い叶えてくれるなら、まず一つ目に何でも自分の思う事が実現するようにしてくれ、と頼んだら、あとの二つは使わなくてもずーっと思った通りになるのに。」と、さも自分が偉いように勘違いしていたこともあって、早速、挑戦的な言い方で「ジーニーのおっさん、まず一つ目や。(ふふふふ、一つで充分やけどな。)俺が思う事全てが実現するようにしてくれ。」と、言うとジーニーさん「ハイ、できました。怖いですね。ド~ン!」アラジンさん、言ってはみたものの「バカに付き合って時間を損した。こんなおっさん目の前から消えろ。」と思った途端、小松政夫ジーニーさん煙のように消えました。「なんやったんやろ、まあいいか、それにしても、うっとおしい雨やなあ。」と思ったら今度は雨がやみ、晴れてきました。「えっ、ひょっとして、さっきの話は本当なんかい。」と試しに近くのパチンコ屋さんに入ると、「大当たり頼む!」と言うか言わないか、最初の一発目で大当たりです。その後も立て続けに大当たり、うれしくて仕方ありません。急ぎパチンコ屋を出て会社に戻ろうとすると、ちょうど間の悪いことに上司が近づいてきました。午前中のポカがばれて怒られる。「こんなやつ、いらんわ。」と心の中でつぶやくと、パンという音とともに目の前の上司はいなくなり、しかも急いで会社に戻ると、その上司の机や椅子もなく、誰に聞いても「それ誰の事?」とさっぱり要領を得ません。さらに、「ついでにあいつらも消えたらいいのに。」と思うと、他の嫌いな上司や社員も全部いなくなりました。また、「金が欲しい。」と思うと、自分の机には、ぎっしりと一万円札が詰まってるし、着てるものや時計なども超一流のもの、思う事が全部かなってしまいます。何と幸せなことか、もう天にも昇った気持ちです。自分の思う事が本当に現実になることを知ったアラジンさん、次から次へと今まで思ってたことを願います。ただ、何でもその通りになるので、慎重に物事を考えようとしますが、ついつい今までの愚痴や妬みが頭をよぎり、「俺は世界で一番幸せや。俺以外の幸せな人間はみんな消えろ!」と言い放つと、あら不思議、残っていた嫌いではない社員や周りの人たちが、みんな消えてしまいました。慌てて、外に飛び出してもそこには、人っ子一人いません。駅に行っても誰もいない、家に電話しても誰も出ません。「こんなはずじゃない!元に戻れ。」と念じますが、全く変化ありません。「ジーニーのおっさん、元に戻してくれ!」と大声で叫ぶと「ハイ、またお会いしましたね。思う事をかなえることはできても元には戻せないんですねえ。怖いですねえ。もし、元に戻してほしければ二つ目の願いにしましょうね。」「なにい!仕方ない、そうしてくれ。」と言いかけて、「ちょっと待ってくれ、二つ目で元に戻ったら、一つ目の願い、つまり何でも思う事が叶う。と言うのはどうなる?」「ハイ、いいところに気が付きましたね。そうです、一つ目はそのままですから、また全て思うとおりになってしまいます。」そして、ジーニーさん、急に真顔になり、低いドスの利いた声で「そうなったら、もう何があっても元には戻せませんよ。いいですかあ?」、アラジンさん考えるだけでぞっとして「わかった、二つ目の願いはこの現実を元に戻すこと。そして、三つめは最初の願いを無しにして何事もなかったようにしてくれ。」と言って目を開けると、小雨の降る中、爪楊枝でシーハーシーハー、何事もなかったような現実に戻っています。そして付け加えます。「おっさん、消える前に一つだけ教えてくれ。何で俺以外の幸せなやつ消えろ、と言ったらみんないなくなったんや?」すると小松のジーニーさん曰く「人は皆、生きてるという事だけで、幸せなのですよ。」「幸せな人間みな消えろと言うから、生きてる人みんながいなくなっちゃったんですね。怖いですね。怖いですね。」「さあ、♪電線にぃ、雀が三羽・・・悪りーね悪りーね、ワリーネ、ディートリッヒ!」と言いながらいつの間にか、小松ジーニーさん、どこかに行ってしまいました。

それを、ボーっと見送った後、アラジンさん、何を思ったか、実家のお母さんと家にいる奥さんに立て続けに電話します。「母さん、幸せかい?」次に奥さんに「お前幸せか?」今まで自分のような落ちこぼれを生んだ母親や、まるで冴えない亭主を持った妻は、多分不幸せだに違いないと思っていたアラジンさんに、二人の答えは、両方とも「そうねえ、幸せよ。」それを聞いた荒井甚太郎氏、上司に怒られながらもボソッとつぶやきました。「俺も幸せやったんや。」それからは、一切愚痴を言わなくなったとさ。・・・おわり・・・

(あとがき)

今回は、童話風に書いてみましたが、自分でも時々、「最近、いいことない。」とか「もう一つ、パッとしないなあ。」などと愚痴を言う事があり、ちょっと反省のつもりで書いてみました。幸せという事については、何と比べるか、誰と比べるか、で変わってきますが、生きてるという事実だけで幸せと思えるのは、本当に幸せなんじゃないかと思います。禅問答のようですが、世界の中には生きてることが苦痛であったり、明日をも知れぬ運命に苛まれ(さいなまれ)ている人たちもいます。文句を言ったらキリがない、日々幸せを感じながら生きていきたいものですね。文中、小松正夫のギャグが分からない人は、youtubeででも見てください。

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