第二次世界大戦の亡霊 No.208

ここ数日、イスラエルとアラブのテロ組織ハマスとの戦闘のニュースがお茶の間に流れ続けています。ロシアのウクライナ侵攻に続き、中東でも大規模な戦争になりそうです。第一次、第二次世界大戦という誠に愚かな惨劇から80年が経つにもかかわらず、人類は全く反省をしていないようです。特にパレスチナの問題は根が深く、いろんな要素が絡んでいるので一朝一夕には解決しないでしょう。ところが、そんな難しいパレスチナ地域ですが、たった100年前、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教それぞれの信者たちは互いを尊重して仲良く暮らしていたそうです。それが今のように憎み合うようになった、そもそもの発端は、イギリスです。第一次大戦でパレスチナを支配していた敵国オスマン帝国に勝って、エネルギーの主流になってきた石油の権利を奪おうと、一方ではアラビアのローレンスを使ってアラブ人を引き入れ、もう一方ではユダヤの資本から戦費を引き出そうと、両方に「勝った暁にはパレスチナに国を作れるように協力する。」という契約書を交わしていたのです。結果はアラブ側の契約を反故にしてしまいます。一方ユダヤ人のパレスチナへの入植は許可しましたが、数の制限をしたり、またユダヤ側もアラブ人とは仲良くやると言う方針だったようです。(当時のユダヤ財閥、ロスチャイルドの総帥など、アラブ人とユダヤ人の共存が条件と言っていた。)ところが、情勢が一変するのが、ドイツにおけるヒトラーの率いるナチの台頭です。ご存じのようにユダヤ人排斥により数百万人と言うユダヤ人が犠牲になりました。その後戦争は終わったのですが、ユダヤ人たちは自分たちの国がないから、このようなことが起こるのだと、急激に国家建設に動き、世界中からユダヤ人が、2000年前ローマ帝国に滅ぼされた故郷パレスチナに集まってきます。そうなると、住む土地や耕す畑などユダヤ人にとって土地が必要になり、アラブ人との共存など言ってる場合ではない、と、強制的に元々パレスチナに住んでいたアラブ人を追いやります。それが、パレスチナ難民としてガザ地区などに強制的に移動させられた人々です。ヒトラーのユダヤ人排斥がなければ、今頃、アラブ人とユダヤ人は仲良くしていたのかも知れません。また、元々イスラムの教えでは、自殺は禁止されているにもかかわらず、いわゆる”自爆テロ”と言うものが世界中で横行し、紛争を大きくしたのですが、このきっかけになったのは、1972年日本赤軍が起こしたテルアビブ空港銃乱射事件と言われています。この時、岡本光三等の日本赤軍3名はパレスチナ解放人民戦線と戦線を共にし、無差別に銃を乱射、26人の命を奪いましたが、その中の一人、京都大学の安田安之が手りゅう弾で自爆したことにアラブのテロ組織は、驚くとともに「これぞ、ジハード(聖戦)だ。」と称賛したとのことです。それ以来、自爆は自殺ではない、と世界中で行われ、9.11のアメリカワールドトレードセンターへの航空機自爆テロにもつながっています。ちなみに自爆テロは、海外では「suicide terro(自殺テロ)」とか「kamikaze」と呼ばれていますが、もちろんその起源は第二次大戦時の神風特攻隊にあります。神風特攻隊がなければ、安田も自爆はしなかったでしょうし、自爆テロは無かったかもしれません。そう考えると、現代のユダヤとアラブの紛争の陰には、今もなお、ヒトラーと神風特攻隊という第二次世界大戦の亡霊が憑りついているように思います。何とか一日も早く、かの地に平和が来ることを祈るばかりです。

 

(あとがき)

神風特攻隊と自爆テロを同じように語るな、と言う声もあるようです。確かに日本人としては、特攻隊は民間人を攻撃しない、などの違いがありますが、海外から見たら自分の命を犠牲に相手に被害を与える、と言う観点では同じようにみられています。どっちであっても、ヒトラーや神風特攻隊と言う歴史上の過去のものが現在の秩序に影響を与えているのは確かなようです。何か一つの出来事は、それだけで完結してしまわず、幾重にも重なってこだまのように影響し合って現在に生きているという事でしょう。歴史とは奥が深いものですね。では、次回は10末辺りに更新予定です。

 

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