名誉回復 No.221

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本日は、2月29日。4年に一回しかない閏(うるう)年です。閏年と言うとオリンピックの年です。今年もパリでオリンピックが開催され、熱戦が期待されています。過去のオリンピックでは、いろんな感動シーンがありましたが、私が中学生の時に行われたメキシコオリンピック男子200mの表彰式では、いまだに語り継がれる有名なシーンがありました。写真のように1位のジョン・スミスと3位のトミー・カルロスと言うアメリカの黒人選手が、表彰台で靴を脱ぎ、黒い手袋をした片手を天に突き出し、頭(こうべ)を垂れる姿で黒人差別に敢然と抗議したのです。その結果、オリンピック委員会は、オリンピックを政治利用してはいけないという憲章に照らし、両名を出場停止として、選手村から追放し、競技者生命を絶ってしまいました。帰国後もマスコミや周りからの差別が続き、名誉回復するまでには長い道のりがありました。ところが実際に行動した彼らより、ひどい対応をされたのが2位のピーター・ノーマンと言うオーストラリア選手です。黒人差別に反対する彼は、表彰式の際に二人の黒人ランナーが胸につけていた差別反対のバッジを自分もつけて、無言の抵抗をしました。ところが、そのことが後に、白豪主義が強かった母国オーストラリアで問題になり、オリンピック期間中にマスコミが報じると、銀メダルの英雄が一夜にして批判の的になりました。その後も陸上選手として輝かしい成績を挙げ、次のオリンピックでも出場資格があったのですが、オーストラリアオリンピック委員会は、彼を出場させないという決定をしました。さらに仕事の面でも周りから冷遇され、食うや食わずの生活の中、2006年に亡くなりました。そんな彼のことを見ていた甥の一人が、亡くなる前に「後悔していないかい?」と聞くと、「全くしていない。」と答えたそうです。それを聞いた甥は、何とか名誉回復したいと映画化を進めていましたが、結果、資金面や上映場所などで協力が得られず、ノーマンの死後2008年にやっと完成し、数軒の映画館で上映されました。それが評判となって、後にアメリカなどでも「ソリュート」と言う映画でノーマンのことが紹介されると世界中から賛辞が集まり、結局、彼の死後6年たって、ようやくオーストラリアオリンピック委員会は、彼に対する不当な決定などを謝罪し、名誉は回復されました。生きてるうちに名誉回復させてあげたかったですね。生きてるうちに名誉回復と言うと思い出すことがあります。1940年オリンピックは、1936年のベルリンに続き、東京での開催が決まっていましたが、戦争の激化により中止になります。まさにその時、ヨーロッパではドイツがの勢いが止まらず、近隣の各国を蹂躙していました。それに伴いユダヤ人迫害もヨーロッパ全土に拡大され、逃げ場を失ったユダヤ人の一部が、リトアニアの日本領事館に押し寄せ、有名な”命のビザ”を発行し続けた杉浦千畝により、多くの人が命を救われました。この杉浦千畝も死ぬまで、名誉回復はならず、日本の外務省は、"senpo sugihara”などと言う名前(海外の人からは、チウネとは言いずらいので、センポと呼ばれていた。)のものは過去にも現在も存在しない、と言って彼の存在を抹殺していましたが、1986年に亡くなって14年後の杉原千畝生誕100年の際に初めて時の外務大臣河野洋平の名前で正式に謝罪され、名誉が回復されました。と、まあ、今日は名誉回復について書きましたが、世の中には死ぬまで不当に評価され、生きてる間ずっと不遇だった人が山ほどいることでしょう。時の為政者などが自分の不都合のために真実をまげたり、隠したりしても、人の道として正しいことをすれば、それは、いつか必ず評価されることでしょう。でも、”いつか”ではなく、常に”今”正しいことが正当に評価される世の中にならないといけないですね。これからも何が正しいか、考えながら生きて行きたいですね。

 

(あとがき)

杉原千畝の功績の裏には、ウラジオストックまで来たユダヤ人に足止めをさせた上、本国に送り返そうとした外務省に敢然と立ち向かい日本行きを実現させた、ウラジオストック総領事代理の根井三郎や、日本に上陸した後、ユダヤの人たちに便宜を図った日本人たち等々、それぞれが、その当時の体制に勇気をふるって立ち向かった結果の”命のビザ”だったようです。どんな状況でも「正しいことをやる!」当時の日本人の勇気に拍手喝采ですね。では、次回は3月10日ころに更新します。

 

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