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日本でインターネットが一般的になったのは2000年前後からですが、その時にネットで検索と言うと、ほとんどがYahooで、シェアは70%くらいありました。そのころ、「アメリカには、すごい検索があるそうだよ。名前はグーグルとか何とか言って、関連性の高いものなどもすぐに出てくるみたいだね。」と言うような会話をしたことがあります。果たして、その後の検索の歴史を見ると一挙にGoogleが主力になり、先行していたはずのYahooでさえも、2010年には自社の検索技術ではGoogleに勝てないと判断し、表向きはYahooだが中身はGoogleに変えてしまいました。(従って、今Yahooで検索していても中はGoogleにつながってGoogleで検索されている。)と言うことで、今やGoogleなしでは、ネットが始まらないような巨大企業になっています。写真はカリフォルニアのシリコンバレイにあるGoogle本社で私も15年ほど前に訪問したことがありますが、その時にGoogle社内で盛んに言ってたことが今となっては、ほとんどその通りになりました。例えば、そのころまだ普及していなかったスマホにいち早く注力し、「これからの時代はパソコンじゃなくスマホだ。」と明言したり、マップやストリートビュー、自動翻訳、自動運転技術、Googleグラス(メガネに内臓された端末)の開発などなど、どこよりも未来を見据えた先端企業と言うイメージでした。事実、Googleの成長はさらに続き、youtubeなども参加に収め、世界中で検索に伴う広告は圧倒的にGoogleと言う時代を築きました。
そんな、巨大でどこよりも未来を的確に予測し、自らが未来を切り開いてきたGoogleですが、「え~、そうなん?」と感じてしまう気になる記事がありました。巨人Googleに「じわじわと危機が訪れている。」との記事です。危機の原因は”生成AI”、そうですChatGPTなどの対話型AIの普及です。「へえ~。」と感じながら、片方で「そりゃあそうだな。」と思いましたが、私自身、最近はGoogleでの検索よりもChatGPTでの検索の方が多く、従来のGoogle検索はずいぶん減ってきました。そのことは私だけでなく、世界的な傾向のようで、現に今年4月のGoogleによる検索の世界シェアは93%から90%を割る水準に減ったそうです。じゃあ、Googleも生成AIを使って対話型検索をすればいいじゃないか、と思うのですが、これも勝者が陥るジレンマで、検索が対話型になると、あちこちのサイトを見る必要が無くなり、今圧倒的に支配している広告収入が大幅に減る可能性が高い、なので、自分で自分の首を絞めかねないから積極的に開発しずらい、しかし、それをやらねば将来が無いという”自縄自縛”になってしまってるようです。まさに「あのGoogleが・・・へええ、そうなんや。」と思うと、平家物語の「盛者必衰」現代的に言えば「勝者必衰」と言う言葉を思い出します。(Googleは、まだ衰退している訳でもなく、これからどうするの?と言う警鐘程度かも知れませんが、放っておくとアリの一穴になるかも知れません。)
一方、国内に目を向けても、過去の巨大企業、日本経済を引っ張ってた企業の衰退が目立ちます。日産は2万人、パナソニックは1万人のリストラなどの発表がありましたが、苦戦していることがうかがえます。また、そごうやイトーヨーカドー、シャープや東芝などなど、昨日まで一流と呼ばれた巨大企業が、あっという間に衰退していく事例は、枚挙にいとまがありません。
しかし、一度は衰退しながら復活して、また盛者(じょうしゃ)になった企業も多くあります。Macコンピューターの失速から、iPodやiPhoneで大復活したアップル、テレビや家電などの不振を、映像、音楽、ゲームなどで大きく構造改革したソニーなど、それらの共通するものは何かと言うと、ほとんど例外なく「人」です。アップルはスティーブジョブズ、ソニーは平井一夫氏など、復活企業には必ず、復活させた「人」が存在します。つまり、いくら巨大化しようが、企業はイコール「人」なのです。もっと言えば、企業だけでなく国も含めて、集団における盛衰の基本は「人」にあると言えるのではないでしょうか?
企業や部署などで日々努力している方は多いと思いますが、「なかなかうまく行かない。」「何度やってもジリ貧だ。」と言う場合は、冷たいようですが、最後には人を変えるしかないように思います。と言うか、「なかなかうまく行かない。」と言う必衰の一歩手前になる前に手を打つこと(人心一新)が必要かもしれないですね。
今回は、他人事だと思って、「人を変えろ。」など極端なことを言って、現役で苦労されている方には申し訳ない内容でしたが、「悪くなったから今までと違う何かをする。」と言う発想では、”時すでに遅し”で、変えられてしまいますが、良い時でも「悪くならないように新たな手を打つ。」と言う発想でやっていれば、企業は衰退することなく続いていくと思います。
”祇園精舎の鐘の音”と共に”諸行無常の響き”を聞くのは、結局、やっている人たちの心のどこかに、このまま隆盛が続くであろうと言う”驕れる”気持ちがあるからなのでしょうね。
と言うことで、諸行無常の響きを聞かなくて済む、参考になりそうな歴史上の人物の言葉を探してみました。
①「戦いにおいて、最も危険なのは勝っている時だ。」(成功や勝利は、人の心を緩ませる。)→ナポレオン・ボナパルト
②「治にいて乱を忘れず。」(平和な時こそ、危機を忘れず、備えねばならない。)→孫氏の兵法
③「準備に失敗することは、失敗を準備することだ。」(日常の備えを怠ることは、危機を呼び寄せてるのと同じ)→ウインストン・チャーチル
④「ビジネスとは、下りのエスカレーターを上るようなものだ。」(上る努力をしなければ現状維持すらできない、さらに環境の変化やライバルよりも大きな努力をしないと、あっという間に危機に陥る。)→佐村信哉
(あとがき)
すみません、最後の④は「?」でしたが、世の中、本当に変化が激しいですね。これからも、どんな変化が来ようが、「来るを拒まず、去るを追わず。」で良い物だけを取り入れながら、人生を豊かにしていきましょう!
では、次回は30日くらいに更新します。