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外国人問題って何だ! No,270

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今日は、参議院選挙の日です。与党の苦戦が報じられていますが、どうなることやら。

さて、今回の選挙争点の一つに「外国人問題」があります。確かに最近のニュースでは「中国人が山林を不法に伐採した。」とか「外国人が日本の土地を買い漁っている。」「少額で会社を設立し、実態が無くても在留資格を得られる。そのくせ、社会保障を受けながら、税金など未納な割合が高い。」その他、「外国免許の切り替えが簡単すぎる。」などなど、聞けば聞くほど「外国人、けしからん!」と言いたくなるようなことが多いです。ただ、これらの問題は、果たして外国人が悪い・・・・と言うことで片付けられるのでしょうか?

問題の本質は、日本の法整備の甘さ、強い執行力の欠如、そして、それらを改善するスピードの無さにあると思います。山林などの不法伐採や違法な土地の使用(産廃などを放置)は何も外国人だけの問題ではなく、日本人も全国で問題を起こしていますし、税金などの滞納も然り、外国人だろうが日本人だろうが滞納したら、迅速にそれなりの罰を与えることが大事です。外国人が土地を自由に買える問題も実は日本には100年前に作られた”外国人土地法”と言う法律が今も残っており、内容は各国と相互に同様の規制をかける、というものです。つまり相手国の土地を日本人が買えないなら、その国の人も日本の土地を買えない、相手国に何らかの規制があれば同様の規制をかける、と言う至極当たり前のことですが、その法律は全く運用されていません。法律があるのですから「運用する!」と政府が言えばいいだけですが、国際問題になるからと、そのままにしています。強い実行力やスピードの無さ、どこか他人事、そこが問題です。外国免許の切り替えだけは、ようやく10月から変わる(今まで10問が50問になり、短期滞在者には免許の発行をしない。)ようですが、もっと早く対応すべき事案でした。もっと早く対応すべきと言う点では、日本人に対してであっても同様に問題を放置している点が多々あります。一点だけ挙げると、コロナ下の支援金や給付金など審査が甘く必要ないところまで支給していましたが、その後の返還などは執行力が弱く、あまり進んでいません。これらも我々の税金が使われています。それら法律の整備、罰則や執行力の強化は同様にスピードを上げてやらねばなりませんが。その前に、外国人の税金滞納などは滞納しないような策を講じているのか? 例えば、外国人あての通知でもすべて日本語しかなく内容が分かりづらい(日本人が見ても分かりづらい通知が多い。)のであれば、中国語、韓国語、英語くらいを併記したものを作る等々。国と地方自治体が協力体制を敷いて早期に手を打つべきです。

また、「労働力を外国人に頼る前に日本の若者に就労の機会を与えよ。」などと言ってる人もいますが、総務省の現在の業種別外国人比率を見ると製造業26~29%、コンビニ・スーパー12~13%、宿泊・飲食11~12%です。今の日本の若い人たちに「製造現場で働け、コンビニの店員をやれ、居酒屋の店員は?」と言っても喜んでやる人がどれだけいるでしょうか?今から、10~15年前にフランスに何回か行ったときにも海外からの移民問題が大きく報じられていました。「移民が職場を奪う。」などと言いながらデモなどもしていましたが、知り合いのフランス人は「あんなこと言ってるが、フランス人の誰が街の清掃やタクシーの運転をする?誰もしないよ。」と冷ややかに話していました。現にシャルル・ドゴール空港からパリに行く電車の始発に乗ったことがありますが、車中は夜勤明けのアフリカ系黒人や東南アジア系などの有色人種ばかりで、夜勤などのきつい仕事は、ほとんど移民の仕事のようでしたし、タクシーに乗ると東南アジアやアフリカ系の運転手ばかりでフランス人はほとんどいませんでした。それと同じで、今の日本は、外国人と共存せねば成り立たないのが現状です。

そんな中で、まじめに一生懸命に働いている外国人は、山ほどいます。そして、その人たちのおかげで我々は普通の生活ができているのも事実です。彼ら外国人を特別視するのではなく、日本人と同じように扱い、必要であれば保護もする。外国人に対する生活保護が問題と言う人もいますが、朝鮮半島から日本に来て、日本人と同じように働いても国の方策で年金加入できずに困窮している人や、日本人と結婚して日本に来たが離婚されて母子家庭になったフィリピン人など、がんばってもがんばっても制度の問題などで生活できない人が生活保護を受けるのは、日本人も外国人もない、当たり前のことです。「外国人問題」などと言うフレーズが広まると、あたかも外国人に問題があるような響きでとらえられ、その内、本当に”外国人排斥”などの動きが出ないとも限りません。政党もマスコミも、それを助長するのではなく、「外国人問題」を法の整備と執行の問題」と言い換えて、本質の議論をしてもらいたいものです。日本人だろうが何人(なにじん)だろうが、すべての基本は、正しいかそうでないか、義があるかないか、人として尊敬される行動か、礼を尽くした行動か、信頼されるかどうか、今それらが、日本人として試されているように思います。拙速で心の狭い行動や人間性を欠いた排斥主義は、それこそ日本人としての心を忘れた亡国の輩のすることではないでしょうか。

 

(あとがき)

外国人問題と言われることの事実を列挙します。(各省庁発表の数値など)

①外国人不法滞在者が増えている。→1993年は、約30万人、今年1月で7万4863人 結論、増えていない。

②外国人が増えて治安が悪化している。→滞在外国人は増えている検挙数は横ばい。 結論、増えていない。

③外国人は医療保険を濫用している。→国民健康保険の被保険者2400万人中外国人は4%、使った医療費は全体の1.39% 結論、濫用していない。

④外国人の生活保護が多すぎる。→日本人の割合2.9% 外国人の割合3.4% 結論、ちょっと多い(理由は先ほど書いた朝鮮半島からの在日高齢者の年金加入の問題とフィリピンの母子家庭が突出して多い。)ちなみに中国人の生活保護家庭の割合は、1.6%と低い。

いろいろ書きましたが、古来日本には大陸や半島からたくさんの人たちが渡ってきて、それら帰化人たちが今の日本人を形作っている訳で、一説によると今の日本人の約70%は中国や朝鮮の何らかの血が混じっているそうです。つまり、あなたの周りの70%の人たちは、移民の血が入っていると言うことになります。そう考えると昔の日本は、海外からの移民を積極的に受け入れて、今よりも国際的な感覚だったようにも感じますね。外国人問題などと、了見の狭いことを言ってるとご先祖様に叱られるかもしれませんよ。

では、次回は7月末くらいに更新します。

 

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