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最近、思わず「へえ~?」と言いそうになる資料を見ました。オックスフォード大学や有名な調査会社ギャラップなどが出している”世界幸福度ランキング”です。それによると、何と日本人が感じる自国の幸福度順位は世界の中で55位です。ちょっと驚きました。例えば、南米や中近東などの失業率が高い、もしくは治安が悪い国々が日本より上位にランクされていますし、G7各国はもちろん日本より上です。「日本って、そんなに不幸な国やろか?」思わず、そうつぶやいてしまいました。
そんな中、私事で恐縮ですが、最近幸せを感じたことが二つありました。一つ目は、先日2日ほど家を空けたのですが、帰ったら冷蔵庫の氷が解けて水浸し、冷蔵室は常温に近く、冷凍室は少し冷たい程度、「あれ?冷蔵庫は5年くらい前に買い替えたばかりなのに何でや!」えらいことです。冷蔵庫や冷凍庫の中身は、このままでは廃棄せねばなりません。次の日にようやく保証書にある連絡先に電話がつながり、修理をお願いすると、「早くて10日後です。」「そんな、この暑いのに10日も冷蔵庫使わずに生活できるか!」などと言いながら、もう我慢できないので修理を待たずに「買い替えるか?」と言ってた3日目の朝、何気なく冷蔵庫をあけると、ちょっと涼しい、さらに冷凍庫を見ると氷が少しだけでき始めて、結局、数時間したら元に戻っていました。(メーカーによると、原因は家を空けたときに冷蔵庫に隙間があり、機能が一時停止していた。とのこと。)「やったあ!元に戻った。」この時の嬉しさは何とも言えません。今まで、入れたら冷えるのが当たり前、氷ができるのが当たり前だった冷蔵庫が、役に立たなくなった途端、こんなにも情けない気持ちになるのか、また、元に戻っただけなのにこんなにも幸福感を感じるのか!これが一つ目。
二つ目は、自身の身体についてです。7月に胃カメラの検査をして、その結果を聞きに行くと、元々二つほどあった腫瘍が大きくなっているそうで、先生からは「腫瘍が大きくなっています。ひょっとすると悪性かも知れません。もし、悪性なら早いうちに切除せねばなりません。万が一、悪性でなかったとしても内容によっては・・・・・。それを調べるために、内視鏡手術で組織を取らねばならないので、できるだけ早い時期に入院してください。」と淡々と言われ、7末に2日間だけ入院しました。何と言っても人生で二回目の入院、前回も無理言って一泊で帰り、今回も途中で「帰っていいですか?」と聞いて一泊にしてもらったくらい入院なんて大嫌い(まあ好きな人はいないでしょうが。)あんな(退屈な病室)ところで何日も過ごさないといけないと思うと、もうそれだけで病気になりそうです。にもかかわらず、もし、切除するとしたら「10日は必要です。」(腫瘍の内容によっては、もっとかかる可能性がある。)とのこと。そんな10日もあんなとこにいたら、頭がボケるんじゃないか、とか、その間、酒を全く飲めんかったら、普通の人間なら耐えられずに精神に異常をきたすんじゃないかとか、そんなことを心配していたのですが、考えたら、その前に「悪性ならどうなるんや?」先生からは、「悪性でも通常のがんと異なり切除したら問題ない種類のガンだと思います。」とは言ってもらってましたが、それでもビクビクしながら「好きなようにしてくれ!まな板の鯉じゃ。」と覚悟して結果を聞きに行きました。そうすると、先生の口から「いや~良かったですね。まず、両方の腫瘍とも良性です。そして、良性の中でもさらに問題がなさそうなものでした。」「じゃあ、切除手術は・・・・」と言いかけると「はい、手術は必要ないでしょう。」とのこと。思わず「よっしゃ、良かった~!」と胸をなでおろしました。これなど本当に大いに幸せを感じた瞬間でした。
さて、この二つのことですが、よくよく考えてみると、何か得があったとか、今までの生活に何かがプラスになったから幸せを感じたかと言うと、そうではなく、結局、幸せを感じたのは、今までと何も変わらぬことに対してです。何もプラスされてはいないが、マイナスだと思ったことが、そうじゃなかったのでプラマイ0になっただけ。でも、こんなに嬉しい。そう考えると、今、普通にできている、普通の生活がなんと幸せなことか!・・・にもかかわらず、日本の人たちは世界の中でも「幸せを感じる度合いが、下の下とは、どういう事や!」8月15日は終戦記念日でした。戦争の無い日本の幸せなこと。また自由に発言でき自由に行動できる国、餓死する人もいない社会(厳密に言えば多少はいるでしょうが、極めて少ない。)一体何が問題なんや? 「知足富者(ちそくふしゃ)」と言う言葉がありますが、昔、老子が言った言葉で、「足るを知っている人は、心が満たされて豊かである。」貧しくても今の幸せを感じて生きている人は、いくらお金があっても「まだ足りない。」と欲にまみれた人に比べると、本当の幸せを知っている人だと言うことでしょう。
私もグダグダと文句を言わずに、改めて、冷蔵庫が動いていることに、また今生きていることに感謝をしたいと思います。みなさん、いろいろあるかも知れませんが、平凡な日々の幸せを噛みしめて生きて行きましょう。
(あとがき)
ちょうど、日常の幸せを感じている時にNETフリックスで「愛してるって言っておくね。」と言う短編アニメを見ました。セリフもなく淡々と流れていくストーリーですが、学校での銃乱射事件で一人娘を失くした夫婦の話です。亡くなった後の夫婦の悲しみ、娘を思い出しては、また涙したり、昔の思い出に浸ったり、そして事件当日、学校に行かせなければよかった、と言う後悔・・・。夢であってくれ、と願う気持ちなどを表現していて、最後に娘からのメッセージで「If anything happens I love you.」(何があったとしても愛してる。)と言う言葉が流れます。たった12分間ですが、しんみり見入ってしまいました。
子供のころ、夢の中で親や親しい人が死んでしまうと「神様、これが夢でありますように!」と泣きながら祈ったことがありますが、目が覚めて夢であることが分かると「あ~、夢やった。本当に夢で良かった。」と何もなかったことの幸せを感じました。今回のブログの話はその時の気持ちと同じようなものかなと思います。最後にもう一度、「あ~、何もなく今までと同じで良かった!」
では、次回は30日あたりに更新します。