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さあ、怒涛の9月が終わります。旅行、旅行で結局、半分も京都にいませんでしたが、ようやく普通の生活に戻りました。さて、日本では総裁選真っただ中、誰が総裁になってもほとんど変わらない感じがする戦いです。内向きな施策しか話さないし、「お前らはダメだ。お俺にやらせろ!」と言う発言もない、中には「石破路線を引き継ぐ。」みたいなことを平気で言ってる人もいて、引き継ぐなら、なぜ石破総裁は変わらなければならないのか。何も明確ではなく、単に”表紙の顔を誰にする。”と言うだけのように思います。
さて、総裁選以外で目につくのが、テレビなどでさかんに流れている「ふるさと納税のポイント還元が9月まで!」と言うようなCMです。と言うことで以前にも言いましたが、ふるさと納税について”勝手に一言”言いたいと思います。もともと、ふるさと納税とは、自分が納付したいところ、例えば、ふるさとやお世話になった地域などへ、住民税の約2割程度を上限として納付できる制度で、それ自身は悪くない制度だと感じます。ただ、現在のふるさと納税の仕組みには大きな問題があります。それは、返礼品があることです。つまり、寄付額の約3割程度の価格の商品を楽天やふるなび、さとふる、などへ2割ほどの手数料を払い送ってもらうようになっていますが、これは単純に税金が半分に減ると言うことです。その額は、昨年でふるさと納税全部合わせると、1.2兆円だそうですので、その半分、約6000億円の税金が物に変わり、業者の売り上げに消えたわけです。
本来であれば、自分のふるさとや若いころ住んでいてお世話になったところ、また災害などで苦しんでいる地域に税金を使ってほしいのですが、現実は返礼品の良いところ、仮にそこが全く知らない土地であっても、関係なく返礼品目当てで大半の人が寄付をしています。例えば、消えた6000億円あれば、全国の小中学校の給食費を無償化できます。(全国の公立小中学校の給食費は5000億円弱とのデータあり。)また、全国の母子(父子)家庭の数は134万世帯で平均年収は236万円(令和3年)推定すると、半数の6~70万世帯は、年収240万円以下だと思われます。その人たちに年間100万円ずつ支援することもできます。
そして、この制度のもう一つの問題は、このような返礼品は高収入者になればなるほど、たくさんもらえるのです。例えば、夫婦と子供二人(高校生と大学生)の世帯で年収別にふるさと納税できる金額は、年収300万円では0円、400万円で12,000円、500万円で28,000円、800万円で85,000円、1600万円で396,000円、2400万円では776,000と、高年収の人ほど累進的に多額の恩恵にあずかることができます。従って、この制度は「高収入者向けキックバック制度」であり、年収の低い世帯にとっては、自分たちには関係のない、雲の上の話みたいなものです。
ふるさと納税制度と言いながら、実際のふるさとや災害復興が必要な地域には、税金が行かない、しかもその無くなった税金は高収入者がより多くの恩恵を受ける、これは”ふるさとNO(ノー)税”として反対の意見がもっと出ても良いのですが、あまり反対の意見を聞きません。また、この制度を作った菅元総理は、今でも「ふるさと納税は成功している。本当にこの制度を作って良かった。」と言ってますが、私はとんでもない愚策だと思っています。
「では、どうすれば良いか?」ですが、簡単です。返礼品を無くす。これだけで、素晴らしい制度として蘇ります。返礼品目的ではなく、本来の、自分がお世話になった”ふるさと”、それから災害などで苦しんでいる市町村、過疎で住民サービスも受けられない地域、そんなところに自由に税金の一部を届けることができれば、こんな素晴らしいことはありません。高収入者ほど、その可能枠は大きく生じるので、堂々とノブレス・オブリージュ(高貴なものの社会的責任)も果たせます。また、年収が少ない人でも、今以上にお金を使わず、社会貢献の機会が生まれることにより、助け合いの気持ちや、少額だろうが、できる範囲で貢献をしようと言う姿勢が生まれ、子供の教育にもプラスでしょう。新しい総裁には、返礼品を無くし、ぜひとも新たなふるさと納税制度を検討をしてほしいものです。皆さん、どう思いますか?(ただ、この制度を作った菅元総理と小泉さんは盟友なので、小泉さんが首相になったら、返礼品を無くすなど、無理だろうね。)
(あとがき)
と偉そうなことを言いながら、「お前は、ふるさと納税やってないのか?返礼品をもらってないのか?」と問われると、全く持って苦しいです。すみません、大変申し訳ないですが、返礼品目当てで利用させてもらっています。ただ、一部は返礼品とは関係なく、昨年から地震や水害で被害が続いている石川県に寄付をしました。でも返礼品が無ければ、寄付額全額使えるのに、と思ってしまいますね。まあ、ささやかですが復興の足しになれば幸いです。
さあ、明日から10月、今年もあと3か月、がんばりましょう! 次回の更新は10月10日ころの予定です。