NPBがテレビから消える日 No,278

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昔、商談などで話のきっかけを作るのに「野球はどこのファンですか?」「巨人です。」「そうですか、私もジャイアンツのファンです。」などと言って、話を始めることがよくありました。誰もが野球については、何がしかのひいきチームがあり、私自身もつい最近までは、巨人ファンの一人でした。ところが、今どこのファンですか?と聞かれると、同じ野球チームでも「ドジャースです。」とMLB(アメリカメジャーリーグ)のチーム名を真顔で答えるようになりました。今、MLBは、通常のシーズンが終わり、世界一(アメリカで一番を世界で一番としている。)をかけて、上位チームが戦っています。それをほとんど毎日見ていますが、何と言っても「野球がおもしろい!」ハラハラドキドキしながら、手に汗握ってドジャースを応援しています。つい今しがた、ドジャースが地区シリーズに勝ち上がり、これからリーグ優勝をかけて戦いますが、見ているだけで本当に力が入り、ちょっと疲れました。そのくらい見ごたえがあります。日本でもNPB(日本プロ野球)があるじゃないか、と言われますが、何か全然違う競技のように感じるほど、見るものを興奮させてくれます。

その理由の一つは、チームの多さと選手層の厚さ、日本プロ野球の支配下選手数は、12球団で約800人、メジャーは30球団で約5000人、だから、一つのチームばかりが勝つということが少なく、どこが優勝してもおかしくない。また選手の平均年棒も日本約4700万円に対して、メジャーは約7億6千万円。運動能力に優れ優秀な人たちは目指しますよね。そんなメジャーにあこがれて、多くの日本人選手が海を渡り活躍しています。そして、その勢いはますます大きくなるようで、来年は日本人ホームラン記録保持者の村上宗隆選手がメジャー挑戦を発表しています。多分、その次は巨人の岡本や阪神の佐藤輝などの中心打者、そしてセパ両リーグの有力投手陣など、アメリカメジャーへの移籍は今後も相当数続きそうです。

さあ、このまま10年後を想像してみると、日本人の優秀な選手は、ほとんどアメリカで活躍し、残った日本の球団は、言わば”二軍”の集まり、観客も激減、もちろんテレビ中継などもほとんど無し、一部の日本プロ野球ファンという少数の人のためにどこかの有料チャンネルが、細々と放送している。”テレビから野球が消える”そんな日が来るような気がしています。現に昨年と今年のプロ野球視聴率上位を見ると、1位は、2025年東京ドームであったドジャースの開幕戦、31.2%。2位は、昨年のソウルで行われた、同じくドジャース開幕戦、24.9%。それらに対し、日本のプロ野球の視聴率上位は、日本シリーズやクライマックスシリーズで、ほんの数試合が14~15%と完全に差をつけられています。

なぜ、そんなに差がつくのか、それはMLBはバスケットボールやアメフトなどの大きなスポーツに比べ、ちょっと人気が落ちてきたので、長期の戦略に基づきアメリカだけにとどまらず世界にMLBと言うコンテンツを輸出しようと考えているようです。だから、開幕戦を日本や韓国でやったり、イギリスなどでも公式戦をやったり、最近のWBC(ワールド、ベースボール、クラシック)へは、本気でメジャーの中心選手を出場させ、世界各国にベースボールの面白さを広げる努力をしています。

それに比べ、我が国のNPB(日本野球機構)は、全体を通した戦略などほとんどなく、親会社の都合が優先、これだけファンを大リーグに取られて、自分たちは衰退し、極端に言えば将来は消滅するかもしれない、と言う危機感が全く感じられません。

前回のWBCの時に「NPB終わりの始まり」と言うタイトルで、同じようなことをこのブログで書きました。ただ、

その時は、このままじゃ日本で二軍の試合ばかり見せられ、アメリカのメジャーには各球団に日本人が3人も4人もいる、そんな状態にならないためには、日本のプロ野球全球団を一つのビジネスと捉え、各球団の親会社ごとの思惑などを捨てないとダメだと言いながら、少しは何か変わるかなと思っていましたが、全然変わらないし、とうとう私のように日本のプロ野球を見捨てる人たちが出てきたみたいで残念です。”巨人・大鵬・玉子焼き”世代でテレビで野球を見るのが何よりの楽しみだった元少年としては、誠に残念なことです。

今日は、勝手に愚痴ばかり言いましたが、アメリカメジャーを見ていると日本でも球団を増やし、フランチャイズ制をもっと導入して完全に地域と一体化するような施策は、あるような感じがします。アメリカのメジャーの試合は、すごいですよ。今日までやってたドジャースとフィリーズの試合なんて、フィリーズの球場では99%の観客がフィリーズファンのようです。各地の試合を見てると、それに近いくらい地元の自分たちのチームを熱狂的に応援しています。それができなければ、日本、韓国、台湾の各プロ野球が合同で試合をする。日本ではセパの2リーグ、そこに韓国リーグと台湾リーグを合わせて、途中それぞれの国のチームと交流戦をし、日本の1位と韓国・台湾の1位が戦ってアジア選手権を行う。とか、何か新しいことを打ち出さないと、本当にテレビから野球が消えてしまうと心配しています。何の力もない古希を過ぎた一人のおっさんが、何を言おうが何も変わらないとは思いますが、NPBのみなさん、頑張りましょう。

 

(あとがき)

このドジャースのポストシーズン(各地区や各リーグの上位チームで1位を争う試合)は、通常のシーズンと違い、ここで負けたら終わり、という真剣さが伝わってきます。その緊張感は通常シーズンの試合とは全く違うので、見ていて本当に面白いですよ。私など1試合見るごとにドッと疲れが出るような感じで見ています。疲れながらも、もうしばらく、楽しませてくれそうです。では、次回は20日ころに更新します。

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